[パク・コンウォンのサッカー現場] 同じ帰化選手?日本と中国はなぜ結果が違ったのか?
ベストイレブン
※一部要約
2022FIFAカタールワールドカップ最終予選で、ベトナムの一撃に遭って早期に脱落が確定した中国サッカー代表を見ると、1990年代の日本サッカー代表の状況が浮かんでくる。
もちろん両チームの時代別の地位はかなり異なる。
当時の日本は1990年代中盤を起点にアジアの強豪としてそびえ立ち、今の中国はベトナムにも首根っこを押さえられる屈辱を味わっているからだ。
ところが似ている部分は確かにある。
帰化選手だ。
日本は1990年代からしばしば帰化選手を代表で活躍したことがあった。
日本サッカーの伝説・三浦知良とともに活動したルイ(※瑠偉)・ラモスをはじめとしてワグナー・ロペス(※呂比須)、アレックス(※三都主アレサンドロ)らワールドカップ本戦の舞台を踏んだ帰化選手もいる。
Kリーグにも日本に帰化した選手がアジアクォーターで活動した。
過去にFCソウルでプレーしたエスクデロ(※競飛王)である。
今でも帰化代表選手が存在する。
GKのダニエル・シュミットがそうだ。
中国は"サッカー崛起"を前面に出す過程でエウケソン、アラン、フェルナンド、ティアス・ブラウニング、リカルド・グラールら様々な外国選手に中国代表のユニフォームを着せた。
ところが両国の帰化選手は明確に異なる。
中国の帰化選手は中国スーパーリーグで長くプレーして、優れた実力を認められた選手というだけのことだ。
実力はもしかしたら日本の帰化選手より良いかもしれない。
当初、中国に来たときから決められた身代金が凄まじい選手だった。
だが実績は十分でない。
実績だけならむしろ日本の帰化選手はほぼ期待に応えた。
理由は何なのか?
アイデンティティの問題だ。
もし日本が中国と同じ方法で帰化を推進していれば、内部からものすごい反対をしただろう。
日本の帰化選手は日本語が上手で、日本人の情緒を持っている。
アレックスのような選手は中・高校の過程を経て日本の教育を受け、自分のルーツの一つとして日本を認識している。
派手なヘアスタイルで有名なラモスは外見だけブラジル人で、行動と思考は日本人と変わらない。
今でも日本のテレビで流暢な日本語で日本サッカーファンとコミュニケーションを取り、日本サッカー界で尊敬されるレジェンドに位置している。
中国の帰化代表はそうではなかった。
国籍は中国かもしれない。
だが彼らは依然として外国人の範疇で見るしかない選手である。
単に中国で4~5年ほどプレーして実力を検証された選手というだけで、日本のように精神的な側面から日本選手に育てる計画性がなかった。
いっそのこと彼らに注いだ金をユースシステムや指導者教育に使っていれば、長期的な観点ではより大きな成功をおさめていただろう。
韓国サッカー界でもしばしば帰化の話が出てくる。
個人的にはやや否定的な見解を持っている。
監督は外国人指導者を起用できる。
だが帰化代表はどういうわけか、代表から心を別のところに置いているレンタル選手という感じを拭えない。
ワールドカップのような国家対抗戦の根底には国民感情が敷かれている。
勝てば熱狂的な雰囲気を演出できるが、負ければ恐ろしい批判に苦しめられることになる。
そのような重圧感を乗り越えるためには、国家のアイデンティティがなければならない。
そうしてこそ選手が使命感を持ち、ピッチで最善を尽くすことができる。
その観点から見たとき、日本と中国の帰化選手には大きな差異点がある。
ラモスは不振ならば、まるで祖国ブラジルを責め立てるかのように日本サッカー界に苦言を吐く。
ラモスが帰化だからといって、ただの帰化選手と見ることができない理由だ。
彼らは日本社会の構成員として認められている。
一方の中国は?
果たして今の中国帰化代表選手は中国を代表しなければならない気持ち、中国が最高であるべきという気持ちを持っているだろうか?
中国の帰化代表選手を眺めると非常に疑わしい。
パク・コンウォンコラムニスト
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※シュミット・ダニエルはもともと日本国籍を持っていたはず……。