[ソ・ホジョン] 邦本がエースになると全北のすべてが変わった
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※一部要約
2018年に慶南のユニフォームを着てKリーグに突然登場した日本人MF邦本宜裕はすぐにセンセーションを起こした。
光る創造性がKリーグで生き残れる機動力、パワーと出会って競争力が高まった。
2019年の慶南突風が1年で降格するという結果で消えた状況でも、邦本は"少年家長"の容貌を示した。
自身のKリーグ最初の所属チームは降格したが、彼は能力を認められてディフェンディングチャンピオンの全北現代に移籍した。
全北での競争は慶南時代とはレベルが違った。
イ・スンギ、キム・ボギョンが攻撃的な役割を代替できた。
モライス監督は邦本をウインガーに置いて最大限に活用しようとしたが、お似合いの服ではなかった。
昨シーズンの記録は25試合出場で2ゴール1アシストに終わった。
蔚山遠征でMOMに選ばれたのが最も輝いた瞬間だった。
FAカップ決勝2次戦では足首疲労骨折の負傷まで遭った。
負傷の余波で邦本の2021シーズンはスタートが遅れた。
4月11日に仁川とのホーム試合で交代出場して初めてグラウンドを踏んだが、5月まで体の状態がなかなか上がってこなかった。
同僚との呼吸も合わず、彼がスペースに送るパスは虚しくミスとなった。
全北ファンの間からも"独りでする想像パス"という表現で批判を受けた。
Kリーグで有名な選手が大挙集まる全北の練習場で最も目覚ましい技術を見せる選手だが、不思議と実戦ではその能力が100%発揮されることはなかった。
コーチ時代に獲得を強く推薦し、今や選手団の総責任者として邦本を活用しなければならないキム・サンシク監督も、もどかしくなるしかなかった。
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変化の起点は5月末だった。
仁川遠征で後半終了直前に劇的な同点ゴールでチームを救い、続く城南遠征で2アシストを記録した。
ウズベキスタンで行われたAFCチャンピオンズリーグのグループリーグでも自信を続けた。
Jリーグのガンバ大阪との試合では幻想的なミドルシュートの得点まで成功させた。
だがようやく引き上げたコンディションが、帰国後にコロナ19確診者発生の問題でリズムが途切れて再低下した。
9月には膝を負傷し、パトゥムとのチャンピオンズリーグ16強戦では前半30分に交代させられてしまった。
沈滞していそうだった邦本は10月からエースに生まれ変わった。
パトゥム戦後にキム・サンシク監督と個人面談を行い、互いが期待していることを虚心坦懐に話した。
キム・サンシク監督は面談を通じて邦本の積極性と意欲を読み、再び信頼を送り始めた。
そのようにして最後の6試合で邦本は、全北のプレーを組み立てるアルファでありオメガとなった。
キム・ドゥヒョンコーチとキム・キュボム分析官が優勝のための最後の賭けで準備した4-3-3のフォーメーションで、邦本は逆三角形のMF構成の前方左MFのポジションを担うことになった。
ただ攻撃だけを解いていくポジションではなかった。
蔚山、済州、水原などのサイドから恐ろしく上がってくる相手の攻撃まで遮ってからビルドアップを作る、エネルギーレベルの高い位置であった。
その6試合で邦本はすべて先発出場し、5試合がフルタイムだった。
残り1試合も後半45分に交代アウトした、フルタイムと変わらない試合だった。
済州戦では相手守備の隙間を突き抜ける正確なパスをキム・ボギョンに出し、グスタボのゴールに繋がる"アシストのアシスト"を積み立てて恐ろしい集中力を見せた。

ファイナルラウンドの初戦だった水原遠征では左足のミサイルシュートで先制ゴールを上げ、鋭いクロスでイルチェンコが記録した4ゴール目の起点の役割を果たした。
優勝で最も重要な要所で繰り広げられた蔚山とのホーム試合でも、邦本が事実上の主人公だった。
チームが記録した3ゴールの状況にすべて直・間接的に貢献した。
終了直前に出たイルチェンコの決勝ゴールの状況で正確に配達した左足クロスが白眉だった。
戦術的にも前半にサイドで幅広く動いて守備加担をし、後半には創造的プレーと正確な前進パスで試合の流れを揺り動かした。
水原FC遠征での敗北で赤信号が灯った大邸戦でも邦本がチームを救った。
ファイナルラウンドに入ってセットピースのほとんどを専門で任された邦本は、ホン・ジョンホの先制ゴールをCKでアシストした。
ムン・ソンミンの楔のゴールのシーンでも、ソン・ミンギュに正確なパスを出してカウンターの状況を導いた。
そして戴冠式のための済州とのホーム最終戦でソン・ミンギュに幻想的な左足スルーパスを出し、2-0の勝利と優勝確定に楔をさした。
ファイナルラウンドだけは誰も否定できない全北現代"クニ"モータースだった。
邦本は5試合の中で水原FCとの試合を除く残り4試合ですべて攻撃ポイントを上げた。
優勝のための勝負所でエースの役割を正確に果たした。
戦術変化で明確な役割を与えると、邦本はとてつもない創造性を発揮した。
試合終盤まで精巧さと鋭さが鈍らない凄まじいスタミナも隠れた源泉だった。
ペク・スンホとリュ・ジェムンに邦本まで蘇り、理想的な組み合わせと攻守のバランスを見出した全北はファイナルラウンドを4勝1敗、13得点5失点で終えた。
邦本が真のエースになって全北のプレーはクオリティが完璧に上がった。
去年もダブルを経験したが、2021年の邦本はチーム優勝の確固不動な主軸の役割を果たした。
彼の波乱万丈な人間ドラマでも重要なチャプターとなるシーズンだった。