[ヨンチーム分析室] アーセナル反転の秘訣は"ラムズデール→冨安のビルドアップルート"
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※一部要約

冨安健洋が技術的短所を覆うほどの知能を見せている。
冨安とアーロン・ラムズデールを主戦で起用してアーセナルの上り調子が始まった。

27日、英国ロンドンのエミレーツ・スタジアムでイングランド・プレミアリーグ6ラウンドが行われ、アーセナルがトッテナムに3-1で勝利した。

アーセナルは序盤に3連敗した後、最近3連勝をおさめて最下位から10位にまで順位を上げた。
連勝が始まった4ラウンドのノリッジ・シティ戦から最も変化が大きかったのは守備陣である。
序盤の3試合にすべて欠場し、勝利した3試合だけプレーした選手はGKラムズデール、右SB冨安、CBガブリエウ・マガリャンイス、守備型MFトーマス・パーテイだ。
4人とも守備組織を新たに組み立てる過程で主戦に位置した。

守備陣の変化の焦点はマルチポジションの消化能力とビルドアップにあった。
まずラムズデールは看板GKのドイツ代表ベルント・レノと比べて無名に近かったが、ビルドアップに関する能力だけは一枚上である。
両選手が正確に3試合ずつフルタイムを消化した現在は記録の比較が容易であり、ラムズデールがビルドアップに関するあらゆる指標で上回っている。
特にロングキック能力ではラムズデールが40%の成功率で21回を記録したのに比べ、レノは35%の成功率で15回に留まった。
ショートパスもラムズデールが46回を記録、レノの35回を上回った。

マガリャンイスと冨安は守備陣全体の構成を変えた。
CBが左利きのマガリャンイスと右利きのベン・ホワイトで固定され、右SBにはCBまで消化できる冨安が合流した。
自然と3選手が少しずつ左に移動してマガリャンイス、ホワイト、冨安の3バックを形成できる。
この場合は攻撃力の良い左SBキーラン・ティアニーがかなり前進してウインガーのようにプレーできるようになる。


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冨安の価値は変形3バックだけに限らない。
4-2-3-1でティアニーを前進させて3-2-4-1のように切り替えるときもあるが、逆に冨安が通常のSBとしてオーバーラップするときもある。
状況によって多様なビルドアップパターンをすべてしっかり消化する判断力が冨安の最大の力である。

右サイドの攻撃は冨安がやや少ない前進の代わりに、サイドに大きく開いたブカヨ・サカのウイングプレーから始まるときも多い。
あるいは、攻撃型MFマルティン・ウーデゴールもやはり、右サイドに偏った動線を移してつなぎの役割を果たす。

ショートパスでビルドアップするときだけ冨安が肝要なのではない。
SBでは長身の188センチである冨安は空中戦でも使いみちが多い。
現在まで空中戦の勝率が87.5%にもなるという統計もある。
冨安が主に相手にするのは相手の左ウインガーか左SBである。
ほとんど冨安が空中で圧倒できる。
EPLで主戦CBとして立つには力が弱く、SBとしては足技が足りないという評価を受けてきたが、ミケル・アルテタ監督の多様な状況別戦術によって、長所だけが見えるように活用されているのだ。
トッテナム戦も後半37分に冨安が簡単にゴールキックを取って攻撃を転換する姿が見えた。

アーセナルは過去にもショートパスが上手くできない場合、右SBにゴールキックをつなげる変則ビルドアップで効果を得たことがある。
以前のGKだったヴォイチェフ・シュチェスニーは当時、主戦右SBバカリ・サニャが身長に比べて非常に優れた制空権を持っていた点を狙い、彼の頭にゴールキックを蹴ったりしていた。
シュチェスニーはこのパターンが練習場から準備されたものだと明かしたことがある。
ショートパスによるビルドアップ、ロングパスを頭で弾いて渡す能力をどちらも備えているというのはサニャと冨安の共通点である。

一つのビルドアップパターンを固守するのではなく、変形3バックによる左サイドでの数的優位の確保、MFのポジション変化を活かした速い右サイド攻撃、ロングパスなどの多様なパターンを状況に応じて混ぜて使う。
チーム全体が各状況ごとに最適なビルドアップ方法を選んで一糸乱れず動けば、攻守の切り替えスピードは相手よりはるかに早くなる。
アーセナルがトッテナムを前半に圧倒した部分は、攻守の切り替えでの体系的な動きだった。

なので最近の上り調子に対する賞賛は、アーセナルの攻撃資源に劣らず守備陣に向けられている。
アーセナルの伝説的FWだったイアン・ライトはトッテナム戦を前に「誰も冨安を簡単には突破できないだろう。非常に賢い獲得だった」と称賛したことがある。

冨安の弱点は対人守備ではなく、判断が的中しなかったときに露呈する。
前半のソン・フンミンの爆発的な突破は、冨安が前進したのに彼にボールが渡らず、後ろで途切れて出てきた。
冨安の背後のスペースにソン・フンミンが進入してスピードを出すことができた。
危険なときもあるが、今のところは果敢な判断から得る利益のほうが大きい。

*キム・ジョンヨン取材チーム長が連載する分析コラムです。


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