27対6…韓日金メダルの数字が残したもの
週刊朝鮮



※一部要約

27対6。
ハンドボールの試合のスコアではない。
8月8日に閉幕した東京オリンピックで日本と韓国が取った金メダル数だ。
韓国と日本は1988年のソウルオリンピック以降、30年以上善意の競争をしてきた。
ところがなぜ突然、今大会でハーフスコアもゆうに超えるものすごい格差が広がったのか。
韓国が記録した金6、銀4、銅10、総合16位は45年で最も悪い成績である。

もちろん東京オリンピックは日本にとってホームグラウンドの利点が大きく作用した。
日本は2013年6月に東京オリンピックの開催が確定すると"復興オリンピック"を旗印に出した。
成功的な"人類の大祭典"を完成させ、2011年の東日本大震災の痛みをきれいにそそぐためだった。

そのため日本政府は全面的な支援をした。
日本スポーツ庁は2021年度のオリンピック強化予算を103億円と2015年より40%増やした。
この予算は各競技団体に分配され、海外遠征の経費や競技力強化のための合宿に使われて代表選手の戦力は大きく向上した。

それに対して韓国の支援と準備は疎かだった。
東京オリンピックは通常のオリンピックと違った。
韓日間の歴史的な感情が深く刻まれており、金メダル数で日本に大きく押されてもならず、特に各種目の韓日対決では絶対に勝たなければならなかった。

しかしオリンピックを主管する大韓体育会は政府から特別支援を受けられなかった。
そのため傘下の競技団体や企業体の協力、そして選手一人ひとりの奮発に大いに期待するしかなかった。
"金メダル7個を取って10位以内に入る"というやや漠然とした目標が、疎かな準備をよく物語っている。
金メダル9個以上を取ってこそ10位入りが可能だというのは体育関係者の常識なのに、どうやって7個で10位になるのか理解し難い目標だった。

某大学スポーツ部の教授の言葉が響く。
「前政権の"チョン・ユラ波動"以降、現政権の体育関連の支援と企業体の協賛が絶え絶えになっている。アーチェリーや体操など、一部の種目だけがかなり前からつながっている企業体からの恩恵を受けているのが実情だ。このような雰囲気で大韓体育会がマスタープランを作るのは大変だっただろう」
政府の支援がなく、大韓体育会が手を放したわけである。


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日本は総金メダルの3分の1である9個を柔道で取り、"柔道宗主国"の威勢を依然として誇示した。
日本が柔道宗主国なら韓国はテコンドー宗主国だ。

日本が柔道の男女27階級で9個の金メダルを取ったなら、韓国はテコンドーの全体8階級で2個は取らなければならなかった。
さらに2階級は予選脱落で全種目出場が失敗に終わっていた。
韓国はテコンドーが正式種目に採択された2000年のシドニーオリンピックで3個の金メダルを取って以降、毎大会で1~4個の金メダルを取ってきた。
だが東京では銀メダル1個と銅メダル2個に終わった。
なぜか?

内部事情を調べてみると呆れる。
テコンドーは電子防具の採点方式なのに、この方式が韓国選手にとっては非常に不利である。
我々の選手は3~5点の大技に勝負をかけるが、現在の電子防具はそっと触れるだけで1得点になるので脚の長いヨーロッパ選手にとって非常に有利なのだ。

極端な事例が+80キロ級のイン・ギョドンである。
彼は4強戦で相手選手のヘッドギアを飛ばす完璧な5点蹴り技の攻撃に成功したが、電子防具のセンサーが反応せずに0点処理された。
結局、イン・ギョドンは6対12で敗れて決勝進出に挫折し、銅メダルに満足しなければならなかった。

韓国が宗主国なので電子防具の採点方式を韓国選手の有利にさせなければならなかったが、世界テコンドー連盟と大韓テコンドー協会の疎通や協力の不足で"ノーゴールド"の屈辱を受けることになった。
テコンドー人は政府が乗り出して解決しなければ、今後も金メダルの便りは難しいと見ている。

そこに協会内の内紛、法的訴訟で一糸乱れぬ行政力も揃えられなかった。
また、学縁・地縁が作用する不透明な代表選手選抜で競争力が弱まった側面もある。
代表の最終選抜戦まで厳格で公正なシステムを堅持しているアーチェリー協会を見習わなければならない部分だ。

もちろん21ヶ国が合計32個のメダルを分け合ってテコンドーの世界化に大きく尽くした側面はある。
だが宗主国としての地位が弱まって残念だ。



1976年のモントリオール大会で大韓民国初の金メダルをプレゼントして以降、伝統の孝行種目として君臨してきたレスリングは1972年のミュンヘン大会から49年ぶりに金メダルを一つも取れなかった。

海外大会に参加した代表選手が集団でコロナ19に感染したため、東京オリンピックの出場権をわずか2枚しか確保しなかったのが決定打だった。
優勝が有力視されていたロンドンオリンピック金メダリストのキム・ヒョンウの不参加が最も胸が痛かった。

野球の"ノーメダル"ストーリーはさらに嘆かわしい。
野球はコロナ19事態で参加国数が6に過ぎないうえに日本を除く4ヶ国は"マイナーリーグレベル"なので、"プロ野球オールスターチーム"の韓国のメダル獲得は"水半分・肉半分"という評価だった。
それでも日本・アメリカ戦の敗北に続いてドミニカ共和国との銅メダル決定戦でも6対10で敗れる屈辱を受けた。

韓国は普段、日本と対等な実力を持っていると伝えられていたが、今大会を通じて"井の中の蛙"であることが明らかとなって大きな衝撃を与えた。
特に投手力が顕著な弱点に挙げられ、2028年のLAオリンピックに備えて中・高校選手を集中的に育成しなければ未来はないと評価されている。(2024年のパリオリンピックには野球種目がない)

韓国のエリートスポーツが下り坂を歩んでいるのはMZ世代(1980年代はじめ~2000年代はじめの生まれ)の特性とも関連が深い。
豊かな時代に生まれ育ったMZ世代は明るく肯定的な思考を持っているが、困難なことを忌避する傾向がある。
ものすごい練習と競争に耐えなければならないレスリング、柔道、テコンドー、ボクシングなどの格闘種目はもちろん、卓球やバレーボール、バスケットボール、バドミントンなどの球技種目は若い有望株を見つけるのが実際のところ簡単ではない。

ボクシングは88オリンピックの金メダル2個から33年"金脈"が途絶えている。
かつて"金メダル畑"だったバドミントンと卓球はせいぜい銅メダルだ。

今回のオリンピックで国民にものすごい感動と歓喜をもたらした女子バレーボールは、100年に一度出るかどうかの"ワールドクラス"キム・ヨンギョンの代表引退で重大な危機を迎えている。
キム・ヨンギョン級のアタッカーがさらに1人いてこそ銅メダルを少なくとも狙えるのに、"いるキム・ヨンギョン"まで太極ユニフォームを脱いで"視聴率38%(放送3社)の脚本のないドラマ"はしばらく見るのが難しくなった。

もちろん金メダルが選手人生のすべてではない。
かつてのように金メダルを取れなくて泣く選手はもうほとんどいない。
禁欲生活に耐えて血と汗、あらゆる精魂を捧げてオリンピックを準備してきた選手は銀メダルと銅メダルの価値を誰よりもよく知っているので表彰台で明るく笑う。

イ・ヨンス檀国大体育教育科教授は「エリート体育から生活体育への過渡的な状況で"成果を上げられなければ失敗した選手"というイメージはますますなくなり、成績よりは挑戦や過程をより高く評価する方へ変わっている」と分析した。

だが世界最高を決める人類最大のスポーツの祭典というオリンピックの本質は結局のところ競争だ。
先進、中進、後進国を分けることなくすべての国がオリンピックに心血を注ぐ理由は、世界最高の舞台でスポーツが持つ国民統合、国民の誇りを鼓舞する機能を高く評価しているからだ。

金メダル数の減少は韓国のエリートスポーツに赤い警報が灯ったことを意味する。
パク・テファン(水泳)やキム・ヨナ(フィギュアスケート)らの看板スターが引退した後、全種目を合わせて我が国を代表するだけの新顔が登場していない。
また、力で競う格闘種目は危機脱出の突破口を見つけなければならないという課題を抱えた。

オリンピック後の記者会見で大韓体育会イ・ギフン会長は「変化している社会に能動的に対処できなかった。関係者、専門家と聴聞会をして根本的な問題を探す」と語った。
チャン・インファ団長は「先進訓練システムと科学的な訓練方式の導入」を主張し、シン・チヨン鎮川選手村村長は「準備さえ上手くやれば3年後に良い競技力を取り戻すだろう」と見通した。
すべて根本的な解決策の足りない常套句だ。
これは政府と大企業が積極的に取り組まなければ、全国民を感動させる金メダルの朗報は他人事になり得るという話である。

ポスコグループは不毛地の体操種目に37年間で200億ウォンを支援し、2008年のヤン・ハクソンに続いて今回のオリンピックでシン・ジェファンが金メダルを取る快挙を達成した。
ヒュンダイ車グループもやはり37年間アーチェリー技術と人材育成の投資に500億ウォンを注ぎ込み、1988年から合計26人の金メダリストを輩出した。
代表選手の汗と闘魂を後押しする"第2のポスコ"や"第2のヒュンダイ車"を期待する。



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