[単独インタビュー③] トルステン・フィンク、「イニエスタは選手に大声を上げない」
スポTVニュース
※一部要約
2020年2月19日、水原ワールドカップ競技場には寒い天候で水曜夜の時間というハンディキャップにもかかわらず、17000人余りの観客が集まった。
水原三星の2020シーズン初戦に対する期待というより、ヴィッセル神戸の主将として来韓したスペインの伝説的MFアンドレス・イニエスタのプレーを直接見るための足取りが多かった。
年俸が何と320億ウォンと伝えられたイニエスタのJリーグ入りは、アジアサッカー全体にとって驚きだった。
中国スーパーリーグも莫大な金を投資してヨーロッパで活動するスター選手を連れてきたが、ヨーロッパサッカーの舞台で歴代最高の選手に挙げられ、FCバルセロナのワンクラブマンとしての地位を保っていたイニエスタが、2018年夏に神戸に入団したのは最も驚きのニュースだった。
イニエスタとともに神戸はクラブ史上初の日王杯優勝、日本スーパーカップ優勝に続いて、AFCチャンピオンズリーグ本戦進出を成し遂げたトルステン・フィンク監督は、ソン・フンミンのハンブルクSV時代の監督として有名だ。
ドイツ代表MF出身であり、華やかな選手キャリアを過ごしたことのあるフィンク監督は、指導者でも世界最高になることを夢見て、アジアの舞台でキャリアの反転を夢見ている。
2020シーズンのAFCチャンピオンズリーグ優勝を目標にするフィンク監督に、イニエスタとともに働くことの特別さや、監督キャリアの抱負を聞いた。
フィンク監督はスポTVニュースとの単独インタビューで自分の考えを伝えた。
─イニエスタはおそらく、あなたの監督キャリアで最も大きな選手ではないかと思う。ダビド・ビジャら有名選手を指導したが、どう違うのか?
「ビジャやイニエスタと働くのは簡単だった。最高の選手だ。私たちは最高の姿を見せる選手を望んでいる。彼らは良いモチベーションを持っていた。すべてを注ぎたがった。タイトルを望んだ。適当にやらなかった。熱望を持っていた。選手に熱望について強調した。彼らにどうプレーすべきか、戦術的に多くの説明をすることはなかった。彼らはすでにそういうことをすべて知っている。私はこの選手についてあまり色々と考えなかった。チームの戦術についてだけ話した。私の哲学を話した。私の哲学の1つ目は個性だが、その次は私たちが何を望んでいるかだ。ボール保持、サイドで過負荷を与えること、高いところからプレスをすることである。イニエスタ、ビジャ、ポドルスキはボール保持の試合を知っている選手だ。彼らを信じ、自信を与え、選手に自分が重要だと思われていることを感じさせ、モチベーションを与えることに集中した。イニエスタは自分でモチベーションを付与している選手である。タイトルを望んでいる」
─スペインメディアで、FCバルセロナがイニエスタにレンタル復帰をオファーしたが、イニエスタがACLのために断ったという報道があった。それについてイニエスタと話したことはあるか?
「私も読んだが彼からは聞いてない。わからない。戻りたいと言ったことはない。多くの人々が多くの記事を書いている。誰も私のところに来て要請したことはない」
─イニエスタはチーム内でどんな影響を及ぼしているのか?
「彼はいつも手本になる。アンドレスは練習時のプロ意識がすごい。練習時も試合のときも最高の選手だ。彼は幻想的な人で、私が見た最高の選手である。私はバイエルン・ミュンヘンの選手で、ハンブルクの監督だったが、イニエスタが私の出会った最高の選手だ。彼は怠けたりしない。プロ意識がすごい。ルーカス・ポドルスキもそう。彼はアルコールを口にしない。サッカーと家族しかない。回復に集中する。非常に熱心に練習する。勝利は天から降ってこない。練習を熱心にして、犠牲にして、そして休まなければならない。そういう選手が良い選手だ。毎日そのような姿を見せている。彼は他の選手に大声を上げない。こうしろ!というタイプではない。彼は同僚を手助けする選手だ。大丈夫、次に上手くやれば良い。負けても、私もたくさん負けたことがある、来週にチャンスがある。しっかり準備しよう、そうすれば勝てると話す。大声を上げない。すべてのチームにそういう面が必要だ」
─あなたはバイエルン・ミュンヘンでもプレーした最高のMFでもあった。その経験は監督職を遂行するのにどう役立っているのか?
「私にとっては重要なことである。選手がどの瞬間にどういう感じを持っているのかわかるからだ。それが私にとっての利点である。ブンデスリーガ、チャンピオンズリーグで選手経験のない指導者より、その点では利点があるだろう。選手の考えがわかる点は利点だ。だが選手キャリアが抱負じゃなくても良い監督は多い。必須ではない。だが役立つのも事実」
─監督キャリア最大の目標は?
「わからない。あまり遠くを見たくない。今はここで幸せで、タイトルを取りたい。12月まで契約している。私たちはたくさんのタイトルを取れる。すべてのタイトルが取れるというわけじゃない。だが6、7位になりたくない。優勝したいし、そうするだけの良いチームだ。ファンがサッカーを楽しみ、観客席に来て攻撃サッカーのスタイルを見せてあげたい。すべてのタイトルがほしいのが熱望だ。今年に優勝カップを掲げるのが夢で、ヨーロッパと世界で最高の監督になるのが私の夢である。どうしてダメなんだ?」
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