水原ファンはなぜ"イニエスタユニフォーム"を心配していたのか
ハンギョレ
※一部要約
19日の水原三星とヴィッセル神戸の試合は、アンドレス・イニエスタのスター性などにより17372人が訪れた。
だが興行大当たりでも気をもむ水原ファンがいた。
"入場者の中に、もしかしたらイニエスタのユニフォームを着た人が水原ホームの応援席に座ったらどうしようか"という心配のためだった。
これはどういうことなのか?
サッカーはホームとアウェイの区分が厳格なスポーツである。
特にサッカー場は"ホームチーム"のための空間。
アウェイ席を除くすべての空間が、ホームチームの応援席だ。
韓国プロサッカー連盟は「ホームクラブは相手クラブを応援する観客のために、競技場の全座席数の5%以上を割り当てなければならない」と規定している。
逆に言えば、それ以外はすべてホームファンのための席という意味である。
この日のイニエスタはヴィッセル神戸、つまりアウェイチームの選手だった。
イニエスタのヴィッセル神戸のユニフォームを着たファンだけでなく、前所属チームのFCバルセロナのイニエスタのユニフォームを着た人も、アウェイ席に行かなければならない。
これはAFCの規定に従っているものだ。
あるサッカーファンは「トッテナムとアーセナルの試合のとき、ソン・フンミンの元所属チームのレバークーゼンのユニフォームを着てアーセナルの応援席に座ってはならないのと似ている」と説明した。
ファンは万が一の衝突を防ぐため、直接広報に乗り出した。
SNSなどに文を載せて「イニエスタのユニフォームを着たファンはアウェイ席に行かなければならない」と伝えた。
クラブもそのような事実を予め伝え、試合前に数回の案内放送で同内容を公示した。
そのような努力のためか、この日のホームチームの応援席にはイニエスタのユニフォームを着た人を見つけるのは難しかった。
水原のクラブ関係者は「この制度の基本趣旨は不要な衝突を防ぐこと」として、「イニエスタ選手のプレーに歓呼したいファンにとっても、アウェイ席に行ったほうが思う存分試合を楽しめるだろう」と説明した。
もし両チームとも応援しないなら、どこに座っても構わない。
だがホームチームの応援席であれば、相手チームの選手への応援は止めたほうが良い。
アウェイ席で会ったイニエスタのファンは、そのような規則をどう思っているのか。
イ・スワン(22)氏は「ファンが載せた文を見て、アウェイ席の前売りにした」として、「不要な葛藤を防ぐためのものなので、守るのが正しいと思う」と述べた。
キム・ジノ(31)氏は「主に海外リーグを見に行くほうだが、外国ではもっと厳しくホームとアウェイの応援席を分離する」として、「このような事実がもう少し伝えられてほしい」と付け加えた。
韓国は国内リーグより代表や海外リーグの人気があるところだ。
だがこのような試合は観戦が難しいため、サッカーを直接観戦する人が全体のサッカーファンに比べて少ない。
そのためサッカー人気に比べて、サッカー場の観戦文化も比較的あまり知られていない。
韓国だけでなく、世界的スターを積極的に獲得する中国や日本も同じような問題を体験している。
ヴィッセル神戸ファンのハヤト・ユノキ(21)氏は「イニエスタの訪問をキッカケに、Kリーグの素晴らしい試合を見に来るのは良いことだが、イニエスタのユニフォームを着たファンがホーム・アウェイ席の区分を無視するのは正しくないと思う」と語った。
イハラ・ヨウスケ(20)氏も「日本にもイニエスタのファンは多いので、同じような問題が起きている」として、「そのような行動は既存のファンにとって無礼な行動になる可能性がある」と述べた。
ヴィッセル神戸ファンは「イニエスタ獲得でチームへの関心は広まったが、一部のイニエスタのファンが神戸の選手に無礼なことを言うなどの問題を体験している」と打ち明けたりもした。
リーグの規模は違っても、チームを愛するファンの気持ちはどこも同じ重さだった。
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