[チェ・ヨンジェ in UAE] ミックスゾーンでコミュニケーションする日本サッカー協会長
日刊スポーツ

※一部要約
"ミックスゾーン"、別名・共同取材区域と呼ばれるところ。
試合を終えて出てくる選手と取材陣が自由にインタビューできるスペースだ。
記者会見形式の堅さから抜け、司会者も進行者もなしで選手と取材陣が虚心坦懐に言葉をやり取りできる、サッカー場で唯一の場所でもある。
インタビュー対象を別々に指定することはない。
ミックスゾーンを通り過ぎる選手の中から、話したい選手の誰とも言葉を交わすことができる自由が与えられる。
形式から外れた"フリースペース"と言える。
自由に行われるのであらゆる質問が行き来する。
質問用紙がなく、返答を予想することもできない。
ときには意地悪な質問、ときには当惑する質問もここでは許される。
冗談やイタズラも溢れている。
ミックスゾーンで選手と取材陣の笑い声を簡単に聞くことができる理由である。
公式記者会見ではできな話を引き出すときもある。
ときには涙の場所になったりもする。
ミックスゾーンの核心は、そういうわけで"コミュニケーション"だ。
21日、UAEのシャルジャ・スタジアム。
ここで日本とサウジアラビアの2019UAEアジアカップ16強戦が行われた。
試合後、ミックスゾーンに一番最初に姿をあらわした人物は、多くの取材陣を驚かせた。
彼は田嶋幸三日本サッカー協会会長だった。
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会長が直接ミックスゾーンに姿をあらわすのは異例のことである。
記者がワールドカップ、アジアカップ、オリンピックなど数多くの取材現場に行っても、ミックスゾーンでその国のサッカー協会会長を見た記憶はない。
会長がミックスゾーンを通り過ぎるほぼ唯一の国が日本だ。
今回のアジアカップだけでなく、記者は何度か国際大会で日本サッカー協会会長をミックスゾーンで見た記憶がある。
公式記者会見ではない突発的質問・敏感な質問などの変数が多いミックスゾーンに、会長が直接出てくるというのは勇断と言える。
田嶋会長はまず日本取材陣の前に立った。
この日、日本はサウジアラビアを1-0で下して8強進出に成功したが、競技力は満足できなかった。
田嶋会長は「日本の長所が出た試合ではなかったが、それでも勝って嬉しい。非常に大きな勝利だと思う」と試合の所感を明かした。
日本の8強の相手はベトナムである。
田嶋会長は「ベトナムはオーストラリアに勝ったヨルダンを下して上がってきたチームだ。甘くない相手である。勢いも良く、技量も優れる若い選手が布陣している」と説明した。
日本代表への応援メッセージも忘れなかった。
彼は「私たちの選手は大会を行いながら成長しているようだ。2日休んで試合をするのは簡単ではない」として、「これからまた準備しなければならない。私が言わなくても選手は感じているだろう。それだけ私たちの選手は成熟している」と讃えた。
日本取材陣とのインタビューを終えた後、田嶋会長は再び足を止めた。
外信記者の前だった。
彼は外信記者の質問にも丁寧にすべて答えてから競技場を出た。
現場を訪れていた日本のある記者に、なぜ会長がミックスゾーンに来るのか尋ねた。
彼は「会長がミックスゾーンに来て試合の所感を語り、試合を分析して選手を励ますのは、日本取材陣にとって驚くことではない。馴染みのこと」として、「会長が取材陣、そして日本サッカーファンとコミュニケーションをするため」と説明した。
もちろん会長がすべての試合に来ることはない。
彼は「国際大会があるとき、すべての試合に会長が来ることはない。今回のアジアカップもグループリーグの3試合には来なかった」と言いつつも、「主要な試合や日本の応援が必要な試合などでは、ミックスゾーンで頻繁に見ることができるのは事実」と語った。
ミックスゾーンはメディアからファンとコミュニケーションをする窓口である。
田嶋会長がミックスゾーンの中に入ってくる理由だ。