[パク・コンウォンのサッカー現場] 投資価値のある舞台を作らなければならない
ベストイレブン

※一部要約
JリーグはKリーグファンにとって羨望の舞台だ。
冷静には競技力的な側面で大きく魅力的ということはない。
日本の細かいパスサッカーの"味"は、荒く激しくぶつかることを楽しむ韓国サッカーファンが見るには、やや退屈な感がある。
にもかかわらず日本は各ディビジョンに属するチーム毎に、観客が多くて一杯になり興行に成功している。
最近ではDAZNという中継権社と"兆単位"の契約という大当たりを出したというニュースが韓国でも大きな話題になったりもした。
Kリーグが持てなかったJリーグの競争力は何なのか、答えを探すために日本に留まっている。
木村正明Jリーグ専務理事と会ったことを通じて、ある程度糸口を見つけることができた。
アメリカのグローバル投資銀行であるゴールドマン・サックスで勤務したキャリアを持つ木村専務理事は、「最近のJリーグの主な関心事は、人々にどうやって魅力をアピールできるかに注がれている」と語った。
成績・スポンサー・観客増大・地域社会貢献などは、リーグとクラブの興行のためにとても重要な要素である。
ところがその要素を好循環構造で続けるためには火種が必要だ。
その火種がまさに"人々のサッカーへの関心"である。
日本社会でも様々な性向の人が暮らしている。
サッカーの大ファンがいる一方、サッカーを嫌う人も存在する。
日本も韓国のように、サッカーよりも音楽や映画などのエンターテイメント産業に対する大衆の関心のほうが熱い。
木村専務理事は、サッカーがそれほど好きでなかったり嫌いな人々でも、Jリーグを見ることができるようにする事業がとても重要だと強調した。
そして、単にいくつかの特定クラブの悩みではなく、会員企業クラブの全体を管轄するJリーグ事務局、韓国で言えば韓国プロサッカー連盟などの関連団体が絶えず研究しなければならない事案であると語った。
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Jリーグは2017年から2026年まで、英国系のモバイル基盤放送社であるDAZNから巨額の中継権収益を得ている。
巨額の中継権社を誘致したので、それで連盟次元のすべて仕事は終わったと考えるのは誤算である。
韓国ではサッカーの実力、あるいは試合のレベルで中継権料が策定されるという錯覚をかなりしているが、そうではない。
中継権料は全面的に商業的な価値判断の物差しで決定される。
レベルの有無を離れて、多くの人々が見て楽しめば、それだけ中継権料は跳ね上がる。
逆にいくらレベルが高くても、人々が見なければ中継権料は上がらなかったり、正当な価値を受けられずに売らなければならない。
放送社の立場からも考えてみよう。
いくら優れた実力を持つリーグだとしても、金をただ賞金のように与える放送社はない。
この中継権料という金は"投資"だ。
投資の価値がなければ容赦なく事業を撤退する。
木村専務理事は、JリーグはDAZNから得た莫大な中継権収益に酔うことなく、リーグ運営やマーケティング、人材育成に再投資していると説明した。
To Customer、To Businessという観点から消費者と投資家のための政策を施行している。
彼らは10年間でDAZNがJリーグを通じて十分な収益を出せるよう躍起になっている。
そうやってこそ、中継権収益は当然として、連盟はもちろん各クラブがスポンサー収益を上げることができるからだ。
もちろん簡単なミッションではない。
木村専務理事は「一年間で200万人以上の人々がJリーグを有料視聴してこそ、DAZNが収益を出せる構造」と説明した。
だがこの市場を作り出すことに成功した。
そして維持し、さらに発展させようと努力している。
木村専務理事に、Kリーグはなぜそのような投資を受けられないのかと尋ねた。
彼は商業性と魅力度の差だと語った。
つまり、KリーグがJリーグのような中継権収益を上げるためには、Jリーグのように投資したときに収益を上げられる土台を先に作らなければならないという意味である。
この土台は、リーグの会員企業である各クラブが現場で絶え間ない努力をしなければならないが、このリーグの会員企業を導く連盟事務局が大きな枠組みや方向、ビジネスモデルを提示しなければならないというのが木村専務理事の説明だった。
この説明に同感した。
羨望するのではなく、それくらいのモデルを作る研究や悩みがなければならないという意味である。
パク・コンウォンコラムニスト(元安山グリナースFC団長)