なぜ韓国と日本選手の海外進出は差が生じるのか
キム・サンヨルのハーフタイム
※一部要約
「なぜこんな結果が出るのでしょう?」
チ・ソヨン選手がイ・ジェソン選手と武藤嘉紀の移籍ニュースを見た後、このように自嘲混じりの質問をしました。
チ・ソヨン選手だけでなく私もやはり惜しさや羨ましい気持ち、一方では訝しく思いましたから。
「いや、一体なぜ?日本選手がプレミアリーグのチームに行き、我が国の代表選手がブンデスリーガの2部に行かなければならないのか…武藤はワールドカップで1試合しか出場せず、ジェソンは3試合フルタイムをプレーしたのに…」
私たちだけでなく、多くのファンも同じような感情だったでしょう。
KリーグMVP出身で(※リーグを)代表する選手だったので、ビッグリーグでプレーするという期待があったからです。
もちろん細部的な契約事項や正確な移籍の理由はわかりません。
イ・ジェソン選手は熟慮して最善の決定をしたのでしょうけど。
ブンデスリーガ2部のホルシュタイン・キールに移籍したイ・ジェソン選手と、プレミアリーグの名門であるニューカッスルに移籍した武藤嘉紀の移籍を見て、果たしてどのような部分がこのような差を作ったのか考えてみました。
韓国と日本の代表のFIFAランキングは、むしろ韓国がリードしています。
ワールドカップでは日本がより良い成績をおさめたが、相対的だったのでどこが優れているのかはっきり断言するのは難しそうです。
しかしプロリーグのレベルや人気は、認めたくないがJリーグがリードしているのは事実です。
リーグの差がヨーロッパ進出の差を作っているようです。
日本のビッグリーグ進出が多くなるのは、まずクラブの全面的な投資と支援のためです。
過去のフォルランやポドルスキをはじめ、今シーズンにはイニエスタとトーレスがJリーグに進出しました。
全盛期を過ぎたと言われるが、世界的名声のある選手です。
そのような選手を獲得してプレーさせています。
ヴィッセル神戸とサガン鳥栖は両選手を獲得するために巨額の投資をしました。
彼らの獲得のために使った金額は、クラブの全体年俸を上回る水準です。
常識的に考えれば、そのような投資をしてそれに見合った収益を得られるのかについて、疑問が起きるほどです。
そうしたクラブの積極的な投資が、クラブの人気だけでなくJリーグファンの興味を呼び起こす要素になりました。
より多くのファンが彼らのプレーを見るためにグラウンドを訪れます。
実例として、我が国のファンもイニエスタとトーレスの試合を見るために日本を訪れるという話をたくさん聞きました。
それだけファンの関心が高まり、クラブの広報と選手の競技力も上がる効果を見るのでしょう。
最終的にクラブの積極的な投資が、Jリーグの発展と選手の技量発展の効果を得られるようにします。
「果たしてKリーグはどうなのか?ファンを競技場に呼び込むため、リーグとサッカー発展のためにそれだけ積極的な投資をしているのか?」
気になりますね。
有名選手の獲得によって、Jリーグはヨーロッパのサッカー関係者からKリーグより多くの関心を集めるリーグになっているという事実です。
有名選手の獲得でJリーグは一段さらに高い地位を得ることになったようです。
イングランド現地で会ったクラブのスカウトやエージェントも、イニエスタのJリーグ移籍について言及し、日本サッカーへの関心を見せるほど、リーグに対する関心は自然と選手に続きます。
そして選手への関心も高まるでしょう。
それに反して、Kリーグに対する関心はほとんどないと感じられます。
なのでKリーグ選手への関心や情報も不足しています。
実例として、過去のコラムでも言及したように、イングランドのクラブ関係者はKリーグMVP出身であるイ・ジェソン選手のデータが不足していると言いました。
そのデータ不足と無関心のために、武藤のようなワークパーミットを発行するだけの積極的な投資に繋がらないのではないでしょうか。
Jリーグクラブの積極的な投資がファンの拡大とリーグの地位や発展を作り出し、日本サッカーを発展させるキッカケになったと考えます。
そして自然とそのようなキッカケを通じ、選手の発展した技量とヨーロッパクラブの関心を集めるチャンスが広がり、ヨーロッパ進出の可能性がさらに高まっているという考えです。
実例として、昨シーズンのヨーロッパ5大リーグ(プレミアリーグ、ブンデスリーガ、ラ・リーガ、セリエ、リーグ・アン)の1部でプレーした我が国の選手は8人である一方、日本選手はほぼ2倍の15人でした。
また、クラブだけでなく連盟と協会の関心や努力です。
昨冬にチェルシーのトレーニングセンターで会った浦和レッズレディースの石原監督は「日本は男子サッカーだけでなく女子サッカーも協会と連盟、そしてクラブでマーケティングを上手くしている。チームの有望株選手をクラブが支援し、トライアルを受けられるようにして、練習も一緒にして実力を向上させられるように努力している。女子選手の場合、協会とクラブで選手が定着するときまで支援金を支給している。そのおかげで、日本の男子サッカーや女子サッカーのインフラや関心度が高まっている」として、クラブだけでなく連盟と協会もリーグの発展や日本サッカーのためマーケティングに力を入れ、有望選手がヨーロッパに進出できるよう支援していると言います。
そのような努力が今日の日本選手がヨーロッパ舞台に多く進出する原動力になったようです。
イ・ジェソン選手のような場合は兵役問題が解決されているが、そうでない選手はKリーグでいくら優れた活躍をしても、ヨーロッパに進出するのは容易ではありません。
もちろんクォン・チャンフン選手のように早い時期にリーグで優れた活躍を見せ、若い年齢でも十分海外進出を狙うことはできるが、そうでない場合はヨーロッパ進出で問題になることがあります。
今回のワールドカップで浮上したチョ・ヒョンウ選手のような場合も、兵役問題がヨーロッパ進出を難しくさせる要素になってますので。
また、すでにソン・フンミン選手やクォン・チャンフン選手のように、ヨーロッパで認められた選手も兵役問題が負担になっています。
全盛期が迫るときに、兵役問題を解決するためKリーグに戻らなければならない問題が生じることもあり得るからです。
その負担は選手の競技力に良くない影響を及ぼすこともできます。
重要なのは、ヨーロッパクラブもその問題について知っているという点です。
なので非常に特別な選手でなければ、関心を引っ込めることもあるということでしょう。
それに対して日本選手ははるかに有利な条件です。
同じような状況なら、自由にヨーロッパでプレーできる選手を好むでしょう。
もちろん、その他にも別の要素があるだろうが、ヨーロッパ進出とビッグリーグ進出の差を作る最大の要素は実力でしょう。
しかし実力と同じくらい、大韓民国サッカーとKリーグが影響力のあるリーグになることも重要だという考えです。
クラブの積極的な投資や全面的な支援、連盟の正しい運営やファンのためのマーケティングに対する真剣な悩み、そして協会の透明な運営や大韓民国サッカーのための心からの愛情や省察があるとき、Kリーグは発展して進み、大韓民国サッカーが発展を成し遂げる原動力になるのではないでしょうか?
そのときにヨーロッパのビッグリーグを駆ける第2のチャ・ボングン、パク・チソン、キ・ソンヨン、そしてソン・フンミンが溢れ出るのではないでしょうか?
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