微細粉塵の空爆に無防備、息詰まるサッカー場
蹴球ジャーナル

※一部要約
"ティ~"、"ティ~"と携帯電話がまた鳴った。
毎日のように微細粉塵警報の文字が飛び込んでくる。
春の招かざる客が今年も違わず訪れた。
微細粉塵が空をぼうっと覆っている。
外出するときにマスクは必需品になった。
野外活動を自制しなければならないなら、外に出ないのが上策だ。
だがサッカー場は違う。
試合が行われれば選手、指導者、観客、進行要員はどうすることもできず微細粉塵を吸う。
適当な対策もないのでさらに問題である。
環境部は27日、超微細粉塵の予報基準を先進国レベルに大きく強化した。
年を重ねるにつれて微細粉塵による被害が深刻化しているという傍証だ。
"悪い"段階の基準を51㎍/m³以上から36㎍/m³に下げた。
世界保健機関(WHO)の国際がん研究所は2013年、微細粉塵を1群発がん物質に区分して「肺がんはもちろん、膀胱がんとの関連性も見える」と語った。
微細粉塵の"非常に悪い"段階で1時間息をするのは、密閉された空間で1時間40分タバコの煙を吸い込むのと同じという研究結果もある。
四方が開けたサッカー場は微細粉塵にそのまま晒される。
選手やファンら、競技場にいる皆が被害者である。
特に選手は健康に直撃弾を受ける。
試合中には呼吸の量が倍に増える。
体を解す時間まで合わせれば、約2時間発がん物質を吸い込むわけだ。
スポンサーリンク

JリーグでプレーしてKリーグ2のソウルイーランドを経て、K3リーグの金浦市民サッカーチームで活躍中のユン・ソンヨルは「試合中に微細粉塵は感じられないが、確かに日本より空気は良くない。その場では影響なくても、後に問題が生じるかと思って心配する選手がいる。特に気管支の良くない選手は悩みが多い」と語った。
小中高など成長中の学生選手の被害はより深刻だ。
バルセロナ・グローバル保健研究所は最近、微細粉塵に晒された子供の脳発達に問題が生じるかもしれないとして、記憶力などの認知機能発達に支障があるという研究結果を出した。
観客の健康も害する。
ソウルと益山に住んでいるKリーグ1全北現代のファンであるイ・スンホ(32)さんは「全羅道は微細粉塵が最も酷い地域の一つである。競技場に2時間ほどいると鼻が痛いほど」として、「数値が高い日は競技場に行くのを敬遠する。マスクをするくらいしかできることがない」と語った。
大韓サッカー協会は今年、小中高リーグに微細粉塵の関連規定を新設した。
協会は"当該地域の微細粉塵警報時は試合日程の延期を積極的に推奨し、当該市・道の組織委員会が決める"と明示した。
だがある市・道サッカー協会の関係者は「微細粉塵のために試合が延期になる可能性はゼロに近い」と断言した。
彼は「各地域の事情を知らずに作った規定」として、「競技場は少なく、日程は窮屈だ。現実的に試合を先送りするのは容易ではない」と語った。
実際、Kリーグは2016年に医務委員会が乗り出して、微細粉塵が酷ければ試合日程を変更できる根拠を用意したが、2年間で一度も試合を先送りしたことはない。
プロ野球も同じである。
プロサッカー連盟のチョ・ヨンサン事務局長は「Kリーグの場合はアジアチャンピオンズリーグ、FAカップ、代表などと日程が絡まっていて、事実上日程を変えるのは難しい」と語った。
Uリーグ(大学サッカー)、ナショナルリーグ(実業サッカー)、WKリーグ(女子サッカー)、K3リーグなどには微細粉塵の関連規定すらない。
ナショナルリーグの関係者は「深刻性はわかっている。だが実効性に疑問を感じて、まだ規定を用意していない。もし試合を延期するとしても、次の試合の日に微細粉塵がないと確信することもできない」と語った。

教育部の"学校高濃度微細粉塵対応実務マニュアル"によると、超微細粉塵の悪い水準や微細粉塵注意報・警報が発令されれば、学校長は室外授業を減らして休校令まで下せる。
いくつかの学校では、教育部の指針によって微細粉塵の酷い日には室内の体育館で汗を流す。
だが体育館の代替練習は弥縫策に留まる。
サッカーは結局フィールドアスレチックなので、外に出るしかない。
クラブハウスに室内運動場のあるKリーグクラブの関係者は「これまで微細粉塵のために練習日程や場所を変えたことはない。すぐ実戦でプレーしなければならない選手にとって、室内練習は競技力に悪影響を及ぼすと判断したため」と語った。
全北のソン・ハホン主治医は「肺に入った微細粉塵は取り出すのが難しい。選手には水をたくさん飲み、家には空気清浄機を置いて良い空気を吸いなさいということしか言えない。特に最近は春だけでなく、一年中微細粉塵の数値が似通っている。スポーツ選手にとっては本当に深刻な問題なのに、適当な解決策がない」と語った。
あるサッカー人は「サッカーだけでなく、現在すべての野外スポーツが打撃を受けている。国でも明確な対策を出せずにいるのに、サッカー界でどうやって微細粉塵を防げるのか」として、「数千億ウォンを投じてすべての競技場をドーム球場に作り直すこともできない。残念だがスポーツの特性上、抱えていかなければならない被害」と語った。