[Jリーグ探訪記] サッカーのある日に祭りが開かれるガンバ大阪
日刊スポーツ
※一部要約
東の東京、西の大阪という言葉のように、日本を代表する大都市の一つである大阪には二つのJリーグチームがある。
北側地域のガンバ大阪と南側地域のセレッソ大阪だ。
ユン・ジョンファン監督が率いるセレッソ大阪はキム・ジンヒョンがプレーするチームであり、キム・ボギョンの元所属チームとしてもよく知られている。
ガンバもやはりイ・グノをはじめとする多くの韓国選手がいたチームで、現在はオ・ジェソクとファン・ウィジョが所属している。
AFCチャンピオンズリーグの常連で、GLでKリーグクラブと当たる機会も多いチームなので、韓国ファンに馴染みのチームでもある。
休日の機会を利用してガンバ大阪と柏レイソルのJリーグ23ラウンドの試合を見に、先週末日本を訪れた。
オ・ジェソクとファン・ウィジョがプレーするガンバと、キム・ボギョンとユン・ソギョンがプレーする柏の対決で、"コリアンダービー"が実現するのではないかという期待感のためだった。
幸い19日に行われたガンバと柏の試合には、両チームの所属している韓国人選手がすべて先発メンバーに名前を上げた。
4人中ユン・ソギョン以外の3人が後半に交代させられたが、韓国選手4人が同時にJリーグのグラウンドでプレーする異色のシーンを見られた試合だった。
試合は柏の1-0の勝利で終わり、最近4試合連続無勝の不振に陥ったガンバファンは、失望を隠すことができなかった。
そのためサポーターズがバスの前で「監督出てこい!」と叫ぶ珍しいシーンも見ることができた。
だがそのすべてのシーンよりも印象深かったのは、この日一日の中で競技場の周囲を覆っていた"祭り"の雰囲気だった。
すべてがサッカーを楽しむために用意されたような姿だった。
「ガンバ大阪の試合が行われる日は"祭り"と見ていいです」
試合を見た帰り道、自称ガンバの"12人目の選手"というサッカーファンのタニオカ・ジュンジが言ったことをふと思い出した。
試合前日に大阪のとある店で、試合日ではない平日にもかかわらず、ガンバ大阪のユニフォームを着て街を闊歩していたタニオカに会った。
ガンバの看板スター遠藤保仁のマーキングが入ったユニフォームを着ていた彼は、携帯電話のケースも、カバンの装飾もすべてガンバで飾った熱血サッカーファンだった。
ガンバの試合を観に来たという言葉に、タニオカは「ガンバのホーム競技場である吹田スタジアムの近所に住んでいるが、試合が行われる日には街中が祭りの雰囲気だ。みんなが青い服を合わせて着て試合を観に行き、たとえ行けなくてもテレビで見守って応援する声が路地から聞こえる」と自慢した。
オ・ジェソクのユニフォームはもちろん、"大阪ダービー"でゴールを決めたファン・ウィジョのユニフォームも新たに買ったというタニオカは「午前から早く行って周囲を見物しなさい」という助言も与えた。
大阪市内からかなり離れた郊外の周辺地域にある競技場に、見どころがどれだけ多いのだろうかと思った。
だが実際に翌日、競技場のある万博記念公園駅に行って、タニオカの言葉を実感した。
大阪市営地下鉄に乗って終点で降り、モノレールに乗り換えて3つの停留所をさらに過ぎ、競技場のある万博記念公園駅で降りた。
乗換駅から四方にはガンバの旗がはためいていて、モノレールの駅では"ガンバ戦特別乗車券"を販売していた。
試合のチケットを購入した人だけが買える"限定版"である。
万博記念公園駅に降りると、すぐにモノレール側とガンバが協業したポップアップストアがファンを迎える。
ユニフォーム、マフラーなどのマーチャンダイジング商品はもちろん、駅だけで販売しているコラボ商品まで種類も多様だった。
駅に入っているコンビニとたこ焼き店は、最初から"ガンバマッチデー"のスローガンを出し、店員にガンバのユニフォームを着せていた。
コンビニでは水、菓子、チョコレートなどをまとめた観戦用パッケージとして売っていた。
さらに、駅周辺の大型ショッピングセンターであるエキスポシティは、食品コーナーに"サッカー観戦時の必需品"売り場まで用意して水や弁当、おでん、揚げ物など様々な食べ物を売っていた。
レストランや雑貨売り場があるショッピングセンター内のモニターでは、休む暇もなくガンバの試合映像が流れていた。
当然ながらユニフォームを着てサッカーを見に来た人々の多くは、ショッピングセンター内で時間を過ごしていた。
"ガンバ"という象徴一つで、地域社会の経済と緊密な協業を通じ、サッカーというコンテンツを活用している姿だった。
地域への愛着が格別に大きい日本だから可能なマーケティングなのだが、同時にガンバが大阪を象徴するサッカーチームであり、地域社会に"祭り"を呼び起こすチームであるという事実を証明する姿でもあった。
こうした積極的なマーケティングは、競技場でも感じることができた。
特に"ファン"に重点を置いたサービスが印象深かった。
ガンバは競技場のあちらこちらで運営しているマーチャンダイジングショップのほかに、クラブのオフィシャルストアである"ブルスパジオ"を運営している。
キーホルダーやユニフォーム、リストバンドなど基本的な商品はもちろん、人形やネクタイ、箸、普段着など様々な種類の商品を販売しているこのストアは、試合前まで足の踏み場もないほど混雑していて、列を作って入らなければならないほどだった。
また、"ブルスパジオ"の側では、ガンバの歴史を展示している"ブルストリア"をファンに開放して、見物できるようにしていた。
"ブルストリア"でガンバの歴史を説明するナレーションは、遠藤保仁が担当していた。
また、ガンバでプレーした選手の姿を飾っている壁面に、イ・グノやキム・スンヨンら韓国選手の姿も見つけることができた。
競技場の中に入ると、インフォメーションセンターでその日の試合に出場する先発選手のリストを貰うことができた。
関係者やメディアではなくても、試合に関する情報を配布し、マッチデーマガジンとは別にガンバ新聞を作って配ったりしていた。
そのような努力のためか、深刻な不振の中でも、柏と行なったこの日の試合を見るために競技場を訪れた観客は21582人だった。
Jリーグ事務局の広報担当であるエンドウ・ワタルは「ガンバはもともとJリーグのビッグクラブだが、最近になって観客がさらに増えた。柏戦は2万人ほどが入ったが、先週行われた22ラウンドの試合は35000人を越えるファンが競技場を訪れた」と説明した。
土壌や文化、そして基本的なインフラが違うので、JリーグとKリーグを断片的に比べることはできない。
だがサッカーという一つの"商品"をより魅力的に見せるようにして販売するために、Jリーグが注いでいる努力は明らかに参考するに値する。
Kリーグもサッカーコンテンツの購入者である"ファン"の立場から、祭りであり、楽しんで惜しみなく財布を開かせるような、賢い"商法"が必要に見える。
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