[キム・ファンのACL-ファイル] "予算・外人・3バック・戦犯旗"浦和はこのようなチーム
キム・ファンコラム




※一部要約

浦和レッドダイヤモンズは"2017AFCチャンピオンズリーグ"に出ている日本Jリーグチームの中で最も組織力が良い。
F組を4勝2敗、1位で通過した。
日本を代表できるパスサッカーを上手く活かし、同時にゴール決定力までさらに増し、完成度の高いサッカーを見せてきた。

だが浦和は今シーズン最も屈辱的な敗北を喫した。
24日に済州総合運動場で行われたACL16強1次戦で済州に0-2で負けた。
浦和が2017年にJリーグとACLを合わせて2ゴール差以上で負けたのは、この日が初めてだ。
計6敗(11勝2わけ)のうち、5敗が1点差だった。
日本の新聞は"済州のカウンターアタックに完敗した"と報じた。
川崎フロンターレと鹿島アントラーズより高評価を受けていたので衝撃が大きかったようだ。

浦和を見る視線はACL16強1次戦からどう変わったのだろうか?
東京在住の日本人エージェントA氏、浦和サポーターズでコールリーダーのあるB氏、言論人出身のサッカー関係者C氏に16強2次戦について話を聞き、4種類のキーワードに整理した。
彼らは内部の雰囲気と個人的な意見を伝えることを負担に考え、匿名を求めた。


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キーワード①"来年の予算"は済州が決定

浦和と日本サッカー界の関係者はACL16強1次戦についてあまり心配してない様子だった。
16強1次戦が始まる直前には、目標を優勝だと明かした。
サッカー界関係者C氏は、16強1次戦直前に行われたインタビューで「済州は今シーズン良いといっても、ACLでの経験が多くない。浦和はACL優勝のキャリアまである強いチームなのであまり心配していない」と言った。

もう状況は変わった。
浦和は74%の支配率でも1ゴールも決められないままホームに帰った。
そして2ゴールも許した。
ラファエル・シルバを除けば怪我人もおらず、日本の自国選手のコンディションも良かったので、済州戦敗北の衝撃はさらに大きかった。
C氏は「浦和は普段通りやった。だが済州の対応が良かったと思う。むしろ私たちが駄目だったのなら大丈夫だが、済州が思ったより準備をかなりしてきたので当惑した」と伝えた。


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浦和は24日に試合を行い、25日に帰ってきて26日まで休息を取った。
27日から再び練習を始めた。
その間に浦和所属の選手3人が日本代表に抜擢されたが喜べなかったという。

チーム全体でも緊張感が走っている。
"来年の予算"のためである。
浦和の親企業をはじめとする運営スタッフ側は、来年の予算策定の基準をACLに置いている。
ACLのグループリーグから決勝まで、どの位置で止まるかによって予算が決まる。
"ACLで成績が出ただけ投資する"という意味に解釈できる。
16強、8強、4強、決勝、優勝の結果別で金額が分けられることがわかった。
日本人エージェントA氏は「済州とのACL16強2次戦は、自尊心を離れて来年の財政がかかっている問題だ。済州が浦和の来年の予算規模を決めるかもしれない状況である。浦和はJリーグで最も大金を使うチームなので、今回の対戦にはより一層敏感だ」と明かした。


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キーワード②"外国人選手"が二人の理由

浦和は他のチームと比べて、相対する感じが少し違うという。
理由は選手団の構成から見つけられる。
外国人選手ではなく日本人中心にチームを回しているとう事実を知ると、浦和を理解することができる。
外国人選手が見せる破壊力はやや足りないかもしれないが、日本選手が持つ技術のために、相手にするのがかなり難しい。
イ・チャンミンはACL16強1次戦を2-0で勝った後、「本当に大変だった。日本選手はすごくボールを上手く回していた。ボール回しを防ぐために寄せて、イエローカードを1枚受けた。他のことはともかく、日本選手はボールだけは本当に上手く蹴る」と言った。


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浦和は外国人選手一人だけで最近の4シーズンでそれなりに成功をおさめた。
Jリーグで6-2-3-2位を記録した。
特に昨シーズンは、リーグ成績だけなら前後期総合勝ち点で1位だった。
さらにJリーグカップでも優勝した。
ただしチャンピオンシップステージで優勝を逃して1位と記録されなかっただけである。
日本現地では浦和を2016シーズンの本当の1位チームだと考える人も少なくない。

始まりは2012シーズンに現監督のミハイロ・ペトロビッチを任命したときからだった。
このときから体質改善に乗り出した。
明確なコンセプトを持ってチームを運営することにした。
そのとき決まった方向性がまさに"自国選手中心のワンチーム"である。
エージェントA氏は「浦和は多様な国籍の個性ある選手が一つのチームにいることを、"ワンチーム"の障害要素と考えている。なので本当に必要なポジションの選手でなければ、ほとんどを自国選手で埋める。それがまさに浦和の核心哲学と見ることができる」と伝えた。
"外国人選手がいたらワンチームは難しい"という、やや保守的な方式である。
旧時代的な発想と見ることもできるが、彼らは最近の数シーズン、この方式によりJリーグで成功をおさめて可能性を確認した。


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外国人選手獲得をできるだけ減らす代わりに、自国選手に好待遇をすることで有名だ。
高レベルのサッカーをするためには、自国選手の能力値がライバルチームより高くなければならないからである。
浦和が自国選手のレベルを上げる方式の一つが、"帰国選手"の活用だ。

方法は簡単である。
ヨーロッパに進出してからあまり良くない姿を見せてJリーグに戻っても、彼らを認めることだ。
換言するなら好待遇で心を捉えるという意味である。
現選手団では槙野智章、長澤和輝、イ・チュンソン、阿部勇樹ら計4人がヨーロッパから帰ってきたとき浦和を選んだ。
彼らの中でヨーロッパ進出以前に浦和でプレー経験があるのは阿部だけである。
エージェントA氏は「ヨーロッパで失敗してきた選手とは考えていない。日本を輝かせ、最善を尽くして帰ってきた選手だと考えている。なのでより価値があると見ている。浦和は彼らに、他のJリーグチームより好待遇にしようと努力している方だ」と説明した。
実際、浦和の人件費はJリーグチームの中で1位である。
外国人選手が二人だけということを考慮すれば、自国選手の待遇がかなり良いと予想できる。

もちろん保守的な外国人選手獲得政策が完璧だったとは言い難い。
Jリーグ内では成功をおさめたが、アジアの舞台ではデコボコの競技力で毎シーズン揺れた。
16強1次戦だけを見ても、済州のマルセロを羨むほかなかった。
実際、ペトロビッチ監督は「済州の二人のブラジル人選手が威嚇的だ」と評価した。
明確なコンセプトを持ってチームを運営するのは明らかに肯定的なことである。
だが失敗が続くなら多少の変化も必要だ。


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キーワード③核心戦術は"3バックの前進"

浦和の基本フォーメーションは3-6-1である。
基本的に3バック戦術を使う。
高さよりもビルドアップ中心に構成されている。
済州との16強1次戦に出た3人のCBの平均身長は179センチだった。
済州の3バック構成の185センチより6センチも低い。
セットピースの守備のときに弱点が露呈することがあるが、最初からそのような機会を与えないことが彼らの目標である。
特にプレスの守備で相手のクロスを最小化する戦術を展開する。
ACL16強1次戦で出たマルセロのヘディングシュートのシーンは、浦和にとって決定的な戦術的失敗を犯したわけである。

3バックの席にいるCBは、ほとんどがSBやMFも兼ねる選手である。
それだけ3バックにいる選手の前進能力は優れている。
ACL16強1次戦でも、CBが過度に前進してプレーするシーンが多かった。


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キーワード④"過激ファン+戦犯旗"注意報

浦和のホームである埼玉スタジアム2002は63700席を収容できる大規模競技場である。
浦和はこの競技場の半分以上を満たせるファンを保有している。
2016シーズンのJリーグ観客動員1位である。
平均で1試合当たり36935人が来た。
平日に開かれるACLでも2万人くらい来る。
今回のGL3試合の平均ホーム観客は20017人だった。

ファンの人数がすべてではない。
指向が最大の問題だ。
Jリーグファンの中で最も過激であることに加え、非常識だと知られている。
2013シーズンに全北現代とのACLでは、戦犯旗を掲げて論難になった。
戦犯旗は日本帝国時代に使われた日本軍の軍旗であり日本自衛隊の旗なので、応援に使ってはならない。
2014シーズンには、あるファンがJリーグの試合で日章旗とともに"JAPANESE ONLY"と書かれた垂れ幕を掲げ、人種差別論難が起きた。
最近、川崎フロンターレファンが水原ワールドカップ競技場で戦犯旗をかけて、クラブがAFCから罰金15000ドルの懲戒を受けた。
執行猶予1年なので、この期間に同様の事件が起きればホーム無観客試合の懲戒が追加される。
そのため浦和-済州のACL16強2次戦でも同じような事件が繰り返されるかもしれない。


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浦和サポーターズでコールリーダーを経験したB氏と連絡を取ったのも、それに関する内容を聞くためだった。
彼は自分をはじめとする周囲のサポーターズの考えを代表して伝えた。
内容は納得しづらかった。
「何人かのファンはその旗をカバンに入れて競技場へ行くだろう。出すかどうかは本人の自由だ。AFCから制裁があるので出さない可能性のほうが高いが、競技場の雰囲気によっては変わることもある。戦争で使った旗をサッカー場で出すことについて、韓国が不愉快に思っているということくらいは知っている。しかし私は個人的に、その旗を戦争ではなく日本の魂が込められているという意味だと解釈しているので、大きな問題があるとは考えてない」

日本政府のスポークスマンである菅義偉官房長官は最近、川崎ファンが戦犯旗を掲げて懲戒を受けた事件について言及し、「スポーツ団体の決定なので発言は自制する」としつつも、「祈願、出産、祝賀用としても日本国内で広く使われている」と、戦犯旗を擁護する発言と似ていると解釈できる。
"するなと言うならしないが、その理由はよくわからない"という風だ。
サポーターズB氏とはこれ以上対話が続かなかった。
彼の言葉通り、AFCの懲戒があるのでファンが戦犯旗を掲げる可能性は低い。
ただし鋭意注意する必要がある。
浦和が済州に押されていると判断すれば、ファンの間で非常識な行動が出るかもしれない。


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済州にとって浦和遠征は様々な面で苦労すると予想される。
2-0という有利な点数を確保しているとしても、色んな変数があるので引き続き緊張感を持っていなければならない。
それでも済州には肯定的な記録が一つある。
ACLの遠征3試合の成績が2勝1分けである。
Kリーグ、FAカップ、ACLを加えた合算遠征記録はもっとすごい。
2016年8月から最近までの15回の遠征試合で10勝4分け1敗だ。

チョ・ソンファン済州監督は「2-0はひっくり返しやすいスコア」だとして慎重な反応を見せつつも、「江蘇遠征に行った経験がある。イメージトレーニングを通じて(遠征の圧迫を)克服できる」と自信を持っている。
済州は27619人の観客が集まった江蘇遠征で、2-1の逆転勝ちをした。


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