熊本「サッカーで地震の悲しみを忘れることを・・・」
蹴球ジャーナル

※一部要約
4月中旬、日本熊本を強震が襲った。
数多くの死傷者が出て、山崩れで住宅や道路が遺失するなど、甚大な被害を受けた。
地元プロサッカーチームのロアッソ熊本(J2リーグ)は人命被害はなかったが、ホーム球場のうまかな・よかなスタジアムの一部が崩れた。
今シーズン熊本に入団した韓国人選手キム・テヨンは、恐怖に震えた4月をはっきりと覚えている。
「クラブから提供された住宅で寝ていたが、夜明けに家が大きく揺れたんです。びっくりして起き、同僚たちと駐車場に退避しました。私はプロデビュー(ヴィッセル神戸)を2006年にJリーグでし、2011年まで日本で過ごして地震を何度か体験したが、これほど大きな地震はありませんでした。とりあえず家族に無事だと連絡はしたが、熊本の地震被害は大きくなっていきました」
ロアッソ熊本もやはり、地震発生後に5試合が取り消しとなった。
先月15日から再びリーグに参加したが、熊本地域の安全が担保されずにホーム試合を柏レイソル、神戸などの他チームの競技場で行わなければならなかった。
開幕後4勝1分け2敗で悪くない成績をおさめていた熊本は、地震被害後に4連敗のどん底に陥った。
キム・テヨンも風邪で2試合を欠場した。

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熊本は6月8日、ツエーゲン金沢とのホーム試合もサガン鳥栖のホーム球場のベストアメニティスタジアムでした。
そしてその日、5-2の大勝を手にして地震被害後の初勝利を申告した。
キム・テヨンもチームの4ゴール目を奪った。
彼は「多くの熊本ファンが鳥栖まで来て大きな力を得た。ファンとともに勝利のセレモニーをして、喜んでいるファンを見て心を打たれた」と伝えた。

熊本はその後、上昇の勢いに乗り4試合連続無敗(3勝1分け)を走った。
特に26日のFC岐阜戦は、後半追加時間に炸裂したキム・テヨンの決勝ゴールで劇的な3-2の勝利をおさめた。
ゴール隅を貫く絵のような中距離シュートは、J2リーグの"今月のベストゴール"候補に上がった。
キム・テヨンは「試合翌日(27日)が誕生日で"自祝ゴール"になった。チームの勝利をもたらしたゴールなのでさらに嬉しい」と所感を明かした。
熊本地域は今も余震が続いている。
それでも昼夜なしの復旧作業で少しずつ希望を取り戻している。
キム・テヨンも「行くところがなかった被災者が仮住宅で生活している」と再生中の都市の雰囲気を伝えた。
ロアッソ熊本も29日の京都サンガFC遠征試合を皮切りに、地震で延期になった試合を行っていく予定である。
来月からは"本当の"ホーム試合もする。
7月3日のセレッソ大阪戦が、これまで被害救援物資倉庫として使われていたうまかな・よかなスタジアムで開催される。
キム・テヨンは「約3ヶ月ぶりにホーム球場のグラウンドでプレーする。ホームのファンがサッカーを見るときだけは地震の悲しみを忘れるよう勝利を抱かせたい」として、「チームの雰囲気も良い。上り調子を継続すれば1部リーグ昇格も可能だ」と希望を語った。
熊本は5試合行ってなくても現在22チーム中11位である。
キム・テヨンはヴィッセル神戸でデビューしてから愛媛、水戸ホーリーホック、ファジアーノ岡山、東京ヴェルディでプレーし、2011年から3シーズン大田シチズンで主戦MFとして活躍した。
2014年は中国リーグに進出し、去年釜山アイパークに身を置いてから今シーズン熊本のユニフォームを着た。
熊本日日新聞社 熊本日日新聞社 2016-05-23