[ソ・ヒョンウクのヨーロッパサッカー紀行] パク・チュホは準備してある、オールウェイズ(現地インタビュー)
ソ・ヒョンウクコラム
※一部要約
ドルトムントのホーム球場ジグナル・イドゥナ・パルクの威容は凄かった。
8万人を超える観客を受け入れるこの巨大な競技場は、クラブカラーである黒と黄色が交わって強烈な気勢を吹き出していた。
2時間半進められた競技場ツアーは、クラブの様々な面をあまねく見せていた。
ロッカールームからベンチ、練習場や装備室などを通り過ぎる間、ドルトムントというクラブの歴史や規模に改めて触れることができた。
何よりあの有名な南側スタンドの威容は、空っぽの客席でも満員になった姿を自然と連想させ、圧倒的な威圧感を抱かせた。
競技場ツアーを終えた直後にドルトムント市内のとあるレストランでパク・チュホと会った。
軽い身なりで現れたパク・チュホから、"ドルトムント入団"報道と"デビューゴール"のニュースが相次いで聞こえてきたときには感じられなかった不思議なオーラが感じられた。
この巨大なチームの一員となったパク・チュホはもうJリーグやバーゼル、そしてマインツに身を置いていたパク・チュホとは別人である。
もしかしたらツアーの後遺症(?)が起こったのかもしれない。
移籍後にたった1ゴール決めただけの選手じゃないか!
だが仕方がない。
これほどのビッグクラブの一員となった韓国選手と会うのは、そんなにありふれていることではないではないか。
─ちょっと前に競技場ツアーを終えてきた。ドルトムントがすごいクラブだと改めて思った。良いチームに来ることになっておめでとう。
(トゥヘル監督が)来いと言ったから来た(笑)。
実際初めてオファーを受けたときはちょっと悩んだ。
より大きなクラブに行くことが常に良い選択になるわけではないので。
だがとりあえず行ってぶつかってみようと思って来た。
─そうして呼んだのなら年俸はかなり上がった?
(言葉なく笑う。ニッコリと。)
─2倍?3倍?
まあ良くしてくれた(笑)
─一緒に練習してみてどうなのか。気持ちが違うと思うが。
同僚はボールを上手く蹴る。キープも良くて明らかに上手な選手が多かった。
─かなり控えめだが?ユヌス・マリとプレーするときとマルコ・ロイスとプレーするときに感じる気持ちは明らかに違わなかったか?
どうしてそうなのか。
最近マリは連続ゴールを決めたのに(笑)。
前回の試合のときはギュンドアン、カストロと呼吸を合わせたが、明らかにボール扱いが違う。
さらに面白い。
─そうでなくてもヨーロッパリーグの試合が韓国でも話題だった。初出場なのに1ゴール1アシストとは!
(ソン・)フンミンに感謝する。
フンミンが同日にゴールを2つも決めて、(自分のゴールが)完全に埋もれたのではないか(爆笑)。
冗談ではなく私は本当に自分ばかりが注目されるのはあまり好きじゃない。
黙々と熱心にする。
─新しいチームでの初戦を非常に非常に上手くやったわけだ。
実際は監督様が連れてきた選手というのが負担になったりしていた。
後で聞いてみると、チームに"こういう、このようなスタイルの選手を希望する"というのではなく、私を連れて来て欲しいと名指しで言ったという。
なので初戦から上手くプレーしたので、これで数ヶ月は気楽になるようだ(笑)。
とりあえず最初の峠は越えたみたいだ。
─トゥヘル監督はドルトムントでどのような役割を任せると言ったのか。
最初はSBでという話を聞いていた。
だがヨーロッパリーグの試合当日に先発出場の通知を受けた。
それも中央MFで。
驚いた。
─チームに合流して落ち着かなかっただろうに、練習は十分やった状態だったのか?
まだドルトムントで家も見つかってない。[パク・チュホは現在、家族とホテルに滞在している]
練習試合を一度もできない状態だった。
なのでその日も交代でプレーするのか・・と考えていた。
だが試合当日の午後に監督様がチームミーティングで突然、「プレーする準備はできたか?」と尋ねた(笑)。
─それで何と言ったのか?
「オールウェイズ(Always)」とただ一言。
その一言ですぐ先発に入れた。
率直に驚いた。
─いったいトゥヘル監督に何をしたのか?プレゼントでも送ったのか?外でしばしば会うのか(笑)?トゥヘル監督はパク・チュホのどこがそんなに好きなのか?
私もそれが気になる(笑)。
私的に会ったり連絡をしたことは一度もない。
練習場や競技場で会っても特に会話をたくさんすることもない。
韓国選手はだいたいEPL進出を最終目標にすることが多いが、パク・チュホの次のステップはどこなのだろう?
ドルトムントでできるだけ長くプレーしたい(笑)。
ここで引退しても良いという考えだ。
そしてEPLはDFが行くべきところではない。
私が見るに、他のリーグよりあまり組織的じゃなくて一対一の状況がかなり繰り広げられる。
DFにとってそれほど楽しくサッカーをできるところではない。
─ソン・フンミンのEPLトッテナム入団が最近韓国では大きな話題だ。代表のチームメイトでもあり、ブンデスリーガで対決もした相手だが、展望をどう見ているか?
フンミンは無条件に受け入れられる。
通用するということだ。
フンミンのスタイルはすごく猪突的だ。
活発で。
EPLにぴったりである。
本人もロンドン生活に満足しているようだし。
そして現在、フンミンはアジアで防げる選手がいない。
─チームメイトになった香川真司はEPLで特に成果を出せなかった。だが最近のドルトムントではまた大活躍中だ。当時のマンUが最近のドルトムントよりさらに良いチームだと見ることもできないが。
合っているスタイルというのがあるみたいだ。
チームではご飯を一緒に食べる間柄だ。
仲良く過ごしている。
あっ、それとマンUが今回連れてきたマルシャルがいるだろう。
最初にマンUがこの人を獲得したというニュースを聞いたとき、周囲の人に注目しろと言ってた。
今回のプレシーズンで、マインツ所属としてASモナコと親善試合をしたことがある。
マインツの今シーズンのメンバーは良い方だ。
チームワークも良くて。
だが彼一人にすごく苦労した。
ものすごく速かった。
あのときはあんなに若い選手であることも知らなかった。
ボールキープが良くて、すごく賢くプレーする。
マインツのCBもレベルの高い選手なのに、2人を同時に背にしたまま翻弄していた。
移籍金が非常に高いのは事実だが、本当に怪物みたいな野郎だ。
そのときは前半だけで2ゴールを決めてハーフタイムに外れた。(当時の結果は5-1でモナコ勝)
─パク・チュホは過去1年で本当に多くのことがあった時期だろう。家族も増えたしチームも移ったし。何よりアジア大会の金メダルで兵役恩恵を受けることになり、ヨーロッパでの選手生活も長くできるようになった。もともとアジア大会の前に入隊の準備もしてなかったか。
本来なら警察庁に行く計画だった。
だが今はドルトムントにいる。
感謝している。
─今後の計画はどうなのか。
とりあえず今シーズンの前半期はチームで物静かにやらなくては(笑)。
すぐ主戦でプレーしなければならないという気持ちはない。
欲がないのとは違う。
チャンスが与えられれば必死にやる。
ハラハラして損をしないということだ。
若い頃はそういう時期もあったが、いつからか心配しないようになった。
練習を熱心にやって、チャンスを掴んだら最善を尽くす。
良いチームに来たので、ここでも認められて席を占めることだ。
そして長い目で見るなら、次のワールドカップを期待している。
私にとって最後のワールドカップになるはずだが、代表チームの主軸である89年生まれがそのとき30歳なので、代表チームが全体的に良さそうだ。
─代表チームで行き来するのは大変じゃないか?ヨーロッパでプレーするアジア選手にとっては、常にそれが悩みのようだが。
Aマッチで行き来するのは率直に大変だ。
行ってすぐプレーして、終わるとすぐに帰ってチームの準備をしなければならない。
時差が大きい。
体が上手く受け入れない。
だが代表チームは行くといつも楽しい。
私がプレーしようがしまいが、気分が良くなるものだ。
【関連記事】
・【EL】韓国ネチズン「香川はやはり忍者」…ドルトムントがパク・チュホの1G1Aで劇的な逆転勝ち
・ドルトムントのパク・チュホ「サッカー人生が終わるときまで自分自身に負けずに挑戦したい」
・ホッフェンハイムのキム・ジンス「ヨーロッパの選手はウェイトトレーニングをほとんどしない」「最も難しかった選手はダグラス・コスタ」
![]() | 【ボルシア ドルトムント・Borussia Dortmund 】公式BVB プーマ・レインジャケット【サイズS】【並行輸入】 ボルシア ドルトムント・Borussia Dortmund Amazonで詳しく見る |