[現場ルポJ] インタビュー | ④セレッソ社長「成績によって稼げるリーグになった」
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※一部要約

成績を出せばそれだけ稼げるというのは、そのリーグが産業と呼ばれる資格を得たという意味である。
Jリーグは優勝賞金だけでなく、4位までに支給される成績別"理念強化分配金"を狙い、さらに激しく競争する。

DAZNのインターネット中継が導入されてから、Jリーグは以前にはなかった活気を取り戻しつつある。
好況を迎えたクラブはどういう悩みがあるのかを聞くため、セレッソ大阪を訪れた。
玉田稔社長はサッカー界の経験と親企業ヤンマーのキャリアをどちらも経た後、2015年からセレッソを経営している。
インタビューは11月2日、大阪市内のホーム球場内にある社長執務室で行われた。


─クラブにとってDAZNとの中継権契約はどのような意味なのか?

クラブの収入がどれだけ増えたか説明する。10年間で2100億円は、簡単に言えば毎年210億円だ。さらに正確に言うなら、最初の3年間は135億円が策定され、そのうち116億円が各クラブに分配される。J1の場合、各クラブに等しく与えられる金額がすでに1億8000万円で、DAZNとの契約以降は年間3億5000万円に増えた。J2は8000万円から1億5000万円で、J3は1500万円から3000万円に増えた。優勝賞金もすべて倍に増えた。J1優勝賞金は既存の1億5000万円から今では3億円に増えた。また、降格救済金もある。J1からJ2に降格したチームは、突然の減収に伴う年俸の負担があるため、2億8000万円を受けることになる。

実際のクラブにとって最も重要だと考える部分は、理念強化分配金だ。成績によって差等支給される金である。2017年の優勝チームである川崎フロンターレの場合、賞金とは別に優勝の翌年に10億円、その次の年に4億円、その次の年に1億5000万円を順に受けることになる。2~4位も金額は違うが、成績によって分配金を受ける。


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理念強化分配金の金額は、優勝賞金よりむしろ大きいと見ることができる。DAZNの中継権で各クラブが受ける最大の影響が、この収入だ。規定上、この金額はJリーグの目的を実現するためだけに使わなければならない。1つ目は育成、つまり日本サッカーの技量向上のための支出である。2つ目は幼少年の育成、3つ目はインフラの拡充、4つ目は縁故地の選手と指導者を育成し、彼らと交流することに支出しなければならない。

だがこのような規定は表面的なものである。ともかく分配金を受けるチームは、それだけクラブの財政を拡充させるので、スーパースターの獲得が可能だ。今年だけ金が入ってくるのではなく、3年後まで入ってくるので、年間収入を予想して選手獲得に活用できる。この金で海外のスターを獲得すれば、Jリーグのスターがさらに増えてDAZNは視聴者を確保できる。なのでDAZNはそういう政策をしているのだと思う。DAZNが日本市場に初めて進出してきたときは地位はゼロだったが、3~4年後を見据えて目標をますます上方修正させている。

Jリーグチームの支出は増えている。ヴィッセル神戸の場合、以前のクラブ予算は50億円くらいだったが、イニエスタ1人が30億円なので、あれこれ加えるとほぼ2倍の100億円くらいになるだろう。Jリーグチームは今後、100億円くらいを予算にする。ところが神戸はDAZNの金も親企業・楽天の金も使えるが、すべてのクラブに親企業があるわけではない。なので私たちのようなクラブにとっては、上位圏に入れば稼げる構造が重要であり、必要なのだ。


─DAZNはインターネット放送のプラットフォームである。韓国をはじめとして、世界のどのチームにとってもTV中継、特に全国地上波中継を好む。インターネット放送の比重が上がることについて抵抗はなかったか?

DAZNと契約した後も、相変わらずTV中継はある。私のような高齢層は相変わらず地上波が馴染みであり、あなたのような若者はインターネット放送のほうが馴染んでいる。地上波が完全になくなれば、私たちの世代にとっては残念だろう。また、インターネット環境が良くないところだと、モバイル中継が途切れる。そうなると視聴者は嫌だろう。特に高齢者はかなりストレスを受ける。DAZNもそれを知らないわけではないので、地上波やケーブルと中継の比重を分けている。

DAZNの究極的な目標は完全なインターネット中継で、今は過渡期である。地上波中継に入る中間広告は、ほとんどDAZN関連の広告だ。だがDAZNは日本に進出して、現地の情緒を無視したのではない。


─収入の他にもマーケティングなど、様々な面でDAZNとクラブの協業が行われていると聞いた。

フライデーナイトJリーグが代表的である。試合時間を配分して生中継をできるだけ増やしたいが、週末だけでは限界がある。DAZNは金曜日の試合を推進した。このアイディアを初めて聞いたとき、クラブにとっては想像しにくかった。会社員が金曜日に退勤してからサッカー場に来るのか、帰宅時間がかなり遅くなって観客は敬遠しないだろうかと疑問が多かった。なのでDAZNは金曜日の試合に様々なイベントを提供した。私たちのチームの場合、競技場前の空き地で地元の名物であるたこ焼きをファンに提供した。DAZNの会員や現場で加入した人たちに、たこ焼きを無制限で提供した。加入してたこ焼きを思い切り食べ、1ヶ月の無料体験の後で解約しても構わない。

クラブがDAZN側に放送プログラムのアイディアを提案したりもする。DAZNが面白いアイディアだと判断すれば、制作費を出す。こうして作られたプログラムは、DAZNでオンライン芸能みたいに上映されるクラブの広報映像として使われる。

その他にもDAZNとの強力で行われる観客誘致イベントは多い。私たちのチームのハーフタイムイベントの中で、ゴールポストの特定の場所に当てれば100万円を支給するのがあった。最近、1人が実際に賞金を貰ったが、この賞金もDAZNが出した。クラブはDAZNの協力のおかげでイベント数をかなり増やした。

中継カメラも増えた。J1のカメラは増えたし、J2とJ3にはなかった中継ができた。ファンが試合をさらに楽しめるようになっただけでなく、選手も刺激を受けている。





─球場の増築を推進中だと聞いている。現在利用しているキンチョウスタジアムをサクラスタジアムという名前に変える作業というが。

全体の費用は約66億円である。私たちのチームのメインスポンサーであるヤンマーが半分ほど払う。残りの約30億円は民間で歩き回って募金し、政府や地方自治体の支援金を得ようとするなど、達成するために努力をしている。地方自治体の補助金を受ける方法は色々ある。例を一つ挙げるなら、近隣地域で地震などの自然災害が発生すれば、この競技場を避難拠点に使用するよう登録する。非常食、飲料水、燃料などを競技場に備蓄しておけば、政府から建設補助金を受けることができる。個人の寄付金も募金する。5万円以上を出した人は証書を受けて建設費に名前が入る。一種の年末調整をするとき、寄付金額のうち4万8000円は返してもらえるので、実際の本人の負担は大きくない。だが日本の人たちは調整をあまり受け取らない。私たちは"事実上、2000円だけを負担してクラブに5万円を支援してください"と広報しているが上手くいってない。残念だ。


─韓国選手との縁が多い。現在の監督もセレッソの選手出身であるユン・ジョンファン監督だ。理由はあるのか?

私たちが韓国選手を起用する最大の理由は、近くて文化が似ているからだ。ヨーロッパや南米から来た選手はリーグの日程や気候が違い、Jリーグに適応するのが難しい。そのような点で韓国選手はメリットがある。Jリーグが初めて船出したとき、韓国選手に対する認識は"強い"と"速い"だった。私たちのチームはコ・ジョンウンをはじめとしてハ・ソッチュ、ノ・ジョンユンらが速かったし、ファン・ソンホンは強い力で得点王を取った。コ・ジョンウンを獲得したときにエージェントと縁ができ、これまで韓国選手との縁を受け継いでいる。


─Jリーグは韓国GKの獲得が流行っている。今年のJリーグ優勝チームの川崎フロンターレ(チョン・ソンリョン)、AFCチャンピオンズリーグ優勝チームの鹿島アントラーズ(クォン・スンテ)もそうだ。セレッソはキム・ジンヒョンら韓国GKに早くから関心を持っていたチームだ。有望株のアン・ジュンスも保有しているだろう。

アン・ジュンスは潜在力が高くて期待している。今は鹿児島にレンタル中だ。以前はキム・ジンヒョン、ク・ソンユンが同時に所属していた。ク・ソンユンは外国人選手の出場制限など、現実的な理由のため私たちのチームを去ってコンサドーレ札幌に移籍した。来年にJリーグの外国人制限が緩和されれば、韓国選手をさらに獲得できると期待している。ただし、ク・ソンユンを再び連れてくるには移籍金がかかるので大変だろう。


─外国人選手の保有限度が4人から5人に拡大すれば、スター選手を獲得するつもりか?

可能性は残してある。ただし、私たちは2014年にディエゴ・フォルランを獲得したことがある。そのときは期待ほどの効果を得られなかったし、私たちはJ2に降格した辛い記憶がある。なので当分スター獲得の計画はない。日本にいない特異なスタイルを持っていたり、変わった技量を提供できる選手なら予算内で連れてくるだろう。マーケティングと実力のうち、どちらの方を重視するかと聞かれれば、私たちのチームは実力の方だ。


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