[現場ルポJ] インタビュー | ②Jリーグ議長「中継権料2兆ウォン、25年の努力の成果」
フットボールリスト




※一部要約

過渡期にいたJリーグを流麗に、別次元に導いた村井満Jリーグ議長は競技人の出身ではない。
さらにJリーグ職員として働いたこともない。

外資系のキャリア管理と採算専門企業のCEOとして働いていた村井議長は、2014年にJリーグ議長になった。
彼は2014年をかなり静かに過ごした後、2015年から急激にスピードを上げた。
2015年には明治安田生命とJリーグの全クラブを支援するスポンサー契約を結び、2016年にはインターネットストリーミング業者のDAZNと10年で2100億円の中継権契約を結んだ。

Jリーグはアジア地域のリーグの中で最も内実があると評価されていたが、悩みは多かった。
観客は少しずつ減っていたし、ファンの平均年齢は上がっていった。
優れた選手はJリーグではなく海外リーグに目を向けた。
規模の面ではKリーグと差が大きいが、同じ類の悩みをしていたのだ。

村井議長が大型契約を2件成功させ、リーグを別次元に乗せた。
この過程でJリーグの全構成員を説得し、理解させた。
放送局ではなくインターネットストリーミング業者のDAZNと契約し、彼らの提案を積極的に受け入れる過程でも、意見を広範囲に取りまとめた。
彼らは25年間で積み重ねたことなどを誇りつつも、新たな挑戦をしなければならないという結論を出した。
JリーグとDAZNは対等な立場で、毎週2回ずつ定例ミーティングをしている。

「各クラブの社長、経営者と言葉を交わした。Jリーグの競技レベルと経営レベルは高くないと口を揃えた。イングリッシュ・プレミアリーグやブンデスリーガのレベルであれば、変化を恐れていただろう。だが私たちはまだそのレベルではない。国内のプロ野球よりも低いと見ていたし、挑戦してみようという結論が出た」

村井議長とJリーグは心強くて異なるスポンサーを2つ誘致し、以前とは違う悩みができるようになった。
彼は「ことを進めるスピードが速い」という言葉に、「私が思うに、変化のスピードは速くない」と答えた。


スポンサーリンク
楽天





─競技人の出身ではない。キャリアもあまりサッカーとは関連がない。なぜJリーグに身を投じたのか?

私は非サッカー人出身の最初の議長ではない。以前にも競技人の出身ではない方がいた。私は高校のときまでGKをしていた。もちろん自分がJリーグの議長になるとは思ってなかった。リクルート(採用)とセカンドキャリア(引退後のキャリア管理)を管理する企業のCEOだったとき、Jリーグのセカンドキャリアのプログラムを引き受けた。そういう縁を通じてJリーグの社外重役として働き、最終的にチェアマンになった。


─Jリーグの議長になって最も重点的に考えた課題は何だったのか?

最も重要なのは短期の課題ではなく、選手の育成だった。韓国もそうだが、良い選手は海外に行く。スターが抜ければ、どうしても新たなスターや選手を育成しないとリーグが発展できない。海外に出ていくスピードと同じくらいに選手を育てなければならない。次はコンテンツの部分である。Jリーグのコンテンツは地上波(TV)で視聴率が高くなかった。デジタル技術を導入して、自ら発展しなければならないと考えた。大衆にサッカーの面白さを伝えられるようにしなければならなかった。この2つのテーマが重要だと思った。


─就任初年度は静かにしていて、翌年度から仕事をするスピードを上げたと聞いた。

私が就任したとき、Jリーグは51チームだった。クラブの社長はもちろん、監督や選手も、私・村井という人間を知らなかった。全クラブを直接訪れて試合を見て、クラブハウスも見て、地域の関係者や地域の市長・知事にも会った。"私が村井です"と挨拶してJリーグを把握していった。


181113182723693a.jpg


─その後は非常に速くことを進めた。

私が思うに、それほどスピーディーではなかった(笑)。明治安田生命というメインスポンサーと就任2年目に会ったのが大きかった。明治安田生命はJリーグだけでなく、全クラブを後援する。何か改革や革新をするとき、パートナーの後援の有無の差は大きい。本当に大いに役立った。


─明治安田生命の後援を受けたのは、DAZNとの契約でも好影響を及ぼしたのか?

そう。これが先にあったのが大きかった。


─明治安田生命が役に立ったと言うが、2兆1000億ウォン規模の中継権契約を得るのは簡単ではなかっただろう。DAZNをどう説得したのか。

(契約過程の)細かな部分を語るのは難しい。DAZNはグローバル企業パフォームの系列会社である。パフォームの英国本社と協議した。私たち自身が世界のサッカーと比較するのは難しかったし、私たちの魅力が何なのかはわかりやすくなかった。ところがパフォームが、日本のJリーグは選手の技術が優れていて、競技場を訪れるファン層が多様で、競技場も安全だと言った。また、25年間八百長がなく、選手の年俸と契約金を未払いにしたこと事例もなく、連続して赤字を出すクラブもないと言った。日本サッカーは世界に誇れる健全さを持っていると言った。私たちも相談の過程で、Jリーグの魅力を発散できる機会があると感じた。ただし、パフォームが短期的に何かをすることはできないと言ったので、長期契約を結んだ。


─韓国から見れば中継権料2兆1000億ウォンは非常に大きな金額だ。本人もそう思うか?

金額が大きい小さいを言うのは難しい。どこに基準を置くかによって違う。ただし、以前より中継権料が増えたのは事実である。


─村井議長がパフォームや、パフォームの系列会社であるOPTAの首脳部と良好な関係だったから中継権契約が実現したと言う人もいた。

私はそれほど国際的なビジネスマンではない。


─このインタビューの前に中村俊DAZN社長と会った。中村社長は「私たちはJリーグの中継権を買ったのではなく、投資をした」と言っていた。

中継権の金額が大きいのか小さいのかは置いといて、DAZNは(Jリーグに)経営についてのアドバイスや新たな考えを与える。私たちはリーグ戦を土曜日と日曜日にやって、AFCチャンピオンズリーグは水曜にするという固定観念を持っていた。DAZNは金曜日や月曜日に試合をする方案を提示した。私たちが想像すらできなかったことだ。金曜日と月曜日に試合をすれば、試合の日を4日に増やせる。金曜日の試合は土曜日と日曜日の試合の宣伝になり得る。私たちが考えられなかった部分を、世界的なサッカーの流れをよく知っているDAZNが理解させた。DAZNは金儲けだけを考えるのではなく、アイディアや企画、経営などすべての部分でアドバイスをする。


181113182723693b.jpg


─競技団体は保守的にならざるを得ない。さらにJリーグは25年もほぼ同じ体制を維持していた。各チームがその要求を受け入れるのは容易ではなかっただろう。

各クラブの社長、経営者と言葉を交わした。Jリーグの競技レベルと経営レベルは高くないと口を揃えた。イングリッシュ・プレミアリーグやブンデスリーガのレベルであれば、変化を恐れていただろう。だが私たちはまだそのレベルではない。国内のプロ野球よりも低いと見ていたし、挑戦してみようという結論が出た。

各クラブの反発はあったが、私たちも良いデータを持っていた。家族のため週末の試合に行けない。仕事のため行けないという人たちがいた。新たなファン層を確保してこそ未来がある。ファンの年齢層ばかりが上がってはならないと考え、新しいことをやってみることにした。


─もうちょっと改革的で急進的なことも企画しているのか?

具体的には言えないが、フライデーナイトJリーグは試合数を増やすだろう。実際にやってみて、大丈夫だという反応が多い。


─JリーグとDAZNは週2回会議をすると聞いた。最初は誰が要求したのか?

互いにミーティングをするのは契約の段階で合意した。Jリーグが全試合の中継を主管して制作しなければならなかったし、世界的レベルのDAZNが積極的にアドバイスをしている。かなり歯切れの良い内容で会議をしている。


─JリーグとDAZNは10年に達する長期計画を作った。この2年の成果はどう見ているのか?残念な点もあるのか?

DAZNで得た中継権料を(各クラブに)分配金として使っている。それだけでなく、Jリーグで直接映像を制作するので、投資もかなりしている。これまでは放送局によって制作方法が違っていた。あるところは選手団をバスの入場から撮り、他のところはしなかった。今はすべての中継が統一された。デザインとグラフィックも統一した。映像をブランディングできる。Jリーグで作った映像であることを、ファンが理解できるというのが良い成果だと思う。


─Jリーグ映像をブランディングできるのは肯定的だ。

DAZNと契約してJリーグが(すべての映像の)著作権を持つことになった。以前はクラブがなにかするためには、放送局にお願いしなければならなかった。今はあらゆることをJリーグが持っている。望んでいるすべてのことをすることができる。そうやって作られた映像をインターネットで広めることができる。2014年と2017年を比較すると、ツイッターを通じたJリーグ映像の露出と拡散は28倍に増えた。DAZNがJリーグに投資したから可能なことだった。


─トーレスとイニエスタを獲得した。Jリーグ次元でスターの獲得を推奨したのか?でなければクラブが独自の決定をしたのか?

今やクラブの経営モデルも多角化されている。最近は市場が拡大して収入も増えているので、攻撃的な投資をするクラブも増えている。投資して、それだけ金を稼げると考えるクラブができたのだ。ヴィッセル神戸のようなチームがそうである。サガン鳥栖は人口が7万人の小さな都市である。だがトーレスが出る試合には観客が1万7000人が入る。人口の1/4が入っとみられる。


181113182723693c.jpg


─外国人獲得制限を廃止することもあると聞いた。リーグが攻撃的な投資を推奨するということなのか?

Jリーグは3番目のステージに来た。25年前からやってきて、特定企業のスポンサーを受けずにホームタウンに根ざしたのだ。地域密着を通じて丈夫になれということだった。メインスポンサーなしで、地域に合わせてクラブを運営しろと要求してきた。2番目はクラブライセンスだ。3年連続で赤字を出してはならず、収入に比べて借金が多くてもいけない。過度な投資を防いできた。結果論的に、地域に密着して健全にクラブを運営しろ言ってきた。そういう土台を備えた状況で、新たな投資を通じて新たなモデルを作った。DAZN(の契約)も私たちが作った25年の土台があったから可能だった。攻撃的な投資でネームバリューだけを見て選手を連れてきていれば、Jリーグは失敗していただろう。

外国人獲得制限の撤廃も、外国人を増やすための政策ではない。各クラブの選択範囲を広げる政策だと考えている。あるクラブは外国人を多く選んで彼ら同士で競争させることもでき、あるクラブは外国人なしでチームを設けることもできるだろう。選択の範囲を増やす政策だ。


─Jリーグクラブのホーム球場を、地方自治体が出て作っている。そういう流れをどうやって持ってくることができたのか?

Jリーグライセンスの中には、経営的な規定と同様に施設の規定もある。そういう次元で行われている。新スタジアムの建設は、25年間続いたホームタウンの地域密着の成果物だと思う。54クラブのうち2クラブの競技場だけが企業を持っている。ホームタウンが作った競技場には税金が投資されているのだ。各チームの価値が、税金を投資するだけの価値があると認められたのである。それがJリーグ25年の成果物だ。


─最後の質問だ。中継権料の契約をして「Jリーグも変わったというのを見せなければならない」と言ったことがある。最も重要な課題は何なのか?

今後10年を見たとき、最も重要なのは地域密着をさらに強固にすることである。今でも54チームが小学校、病院、老人ホームなどを訪れている。統計を出してみると年に18000回活動していた。平均して1クラブが330回活動したのだ。選手も平日は地域密着活動をして、週末に試合をしている。だがこの330回を2倍に増やすことはできない。選手は試合をしなければならないからだ。地域密着活動のインパクトを増加させるのが目標である。

鹿島アントラーズは競技場内に病院を作った。毎日地域住民200人くらいがこの病院を訪れる。川崎フロンターレは障碍者を迎えて、競技場の芝の補修や清掃をする。障碍者の職業支援活動をしているのだ。サッカーには限界がない。私たちは社会的な影響力を持つコンテンツ(サッカー)を持ち、地域にどれだけ貢献するのかを悩まなければならない。世界で前例のないリーグになることが目標だ。


【関連記事】
韓国メディアがDAZN日本支社の社長をインタビュー…「2100億円のJリーグ中継権、買ったのではなく投資」
韓国メディアが電通をインタビュー…「JリーグとDAZNの大型契約の金額は協議する過程で上がった」
韓国メディアがセレッソ大阪の社長をインタビュー…「当分スター獲得の計画はない。マーケティングと実力なら実力を重視」



Page Top

ブログパーツ アクセスランキング
    Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...