[現場ルポJ] インタビュー | ①DAZN社長「"2兆1000億"Jリーグ中継権、買ったのではなく投資」
フットボールリスト




※一部要約

2016年、Jリーグは全世界だけでなく韓国とKリーグを驚かせた。

中継権を放送社でもないインターネットストリーミング業者のDAZNに10年間で2100億円(約2兆1000億ウォン)で売ったためである。
イングリッシュ・プレミアリーグやスペイン・プリメーラリーガの中継権料には達しないが、アジアを基準として見れば天文学的な金額である。
金額が大きすぎて届かないほどだ。
Jリーグは1年で2100億ウォンをDAZNから受けるというのが、もう少し現実的な表現である。

Jリーグがそれこそとてつもない成果を出すと、すぐに韓国サッカー界はざわめいた。
成功事例を調査して評価する動きが続いたりもした。
その結果はそれぞれ少しずつ異なるが、雰囲気は似ていた。
Jリーグ自体が高い評価を受けたものではないという論調が主流だった。
"野球の中継権のためである"、"DAZNは制作費として40%を返してもらう"、"社長同士が親しいようだ"などのような話が出た。

Jリーグと私たちの認識を事前取材して、質問がさらに生まれた。
なぜ私たちは他のもの、あるいは他の国の成功をしっかり評価して学ぼうとしないのか。
提起された疑問がすべて事実であったとしても、Jリーグは年間1000億ウォン以上を中継権収入にすることになる。
韓国サッカーとKリーグは産業的に底を打っている。
JリーグとDAZNが結んだ契約の10%の金額で契約を結んだだけでも、大きな転機を作れる。

質問を持って直接、日本東京のDAZN日本支社で中村俊社長に会った。
中村社長はJリーグ中継権契約を直接仕上げ、今でもマーケティングを指揮している人物だ。
彼は"フットボールリスト"が投じた重たい質問を避けなかった。
そしてJリーグと契約した理由について、最も確かな答えを出した。
投資とパートナーシップ。
DAZNは中継権社であり、Jリーグの最も強固なパートナーだった。


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─DAZNが日本Jリーグに注目して契約した理由は何なのか?

DAZNはローカルコンテンツを重要だと考えている。日本には野球もあってサッカーもあるが、私たちはまずサッカーに集中することにした。


─Jリーグと結んだ中継権契約の金額は大きい。内部ではどうJリーグを評価し、中継権の金額を策定したのか?

イングリッシュ・プレミアリーグ(EPL)の中継権料を考えれば1年に210億円(約2100億ウォン)は大きな金額ではないが、日本市場の規模に比べれば小さな金額ではない。中継権契約を結ぶ前に調査をかなりしたが、Jリーグが成長過程にあるという結論を下して投資することになった。Jリーグが成功できるよう、Jリーグ連盟と協力することにした。実際はJリーグの興行と私たちの成功は、大して関連がないこともある。だが競技場を訪れる人が増えれば、競技場に行けなかった人々がDAZNを通じて試合を見るだろう。私たちは長い目で投資を始めた。英国ロンドンにあるDAZN本社はプレミアリーグと良好な関係を維持している。中継の技術面から見れば、ヨーロッパはアジアより10年ほどリードしていると見ることができる。私たちはそういう技術をJリーグに教えることができる。以前の中継権社(スカイボックスTV)は競技場にカメラを9台くらい使っていた。私たちは昨シーズンに最低12台で中継したし、もうカメラを14台から16台に広めるだろう。そうなれば観客がサッカーの面白さを感じて、競技場に行きたがるだろう。以前の事業者より制作費も2倍くらい使っている。私たちはこのように、Jリーグのプロモーションとマーケティングにも貢献している。


─日本のVOD市場はずっと成長していると聞いた。DAZNがJリーグが成長すると見たのは、そのような日本の産業市場全体についてのことなのか、でなければJリーグ自体が持つ可能性を見たものなのか?

(記者が)おっしゃる通り、VOD市場も相対的に活性化した国で、OTT(Over The Top、インターネットを通じて見られるTVサービス)も魅力的である。前にも言ったが、私たちはローカルコンテンツが重要だと考えている。Jリーグは過去10年間でも有料コンテンツだった。ところが私たちがJリーグの中継権を買う前は、Jリーグのパッケージ加入者数は20~25万人くらいだった。このくらいだと、私たちが投資した規模のビジネスをするのは難しい。ただし、日本は3年前でも野球、Jリーグ、ヨーロッパサッカーなどなど、スポーツをすべて見るにはそれぞれパッケージを購入しなければならず、1万円(約10万ウォン)以上が必要だった。そして中継社が試合時間を決めるので、ファンが試合を選ぶのも難しかった。スポーツの魅力はライブだ。日本は生中継の魅力を感じて楽しめる機会がなかったし、私たちはそういう部分(物足りない気持ち)を解決することができた。私たちは130のコンテンツ、1万試合以上を生中継する。


─この部分で気になることがさらに大きい。なぜ人気がさらに高い野球ではなくサッカーと大きな契約をしたのか?

日本の野球とJリーグの差を言うなら複雑さである。野球は連盟ではなく各チームが中継権を持っていて、中継権の更新期間もすべて違う。Jリーグは連盟が中継権を持っている。そして中継権の更新時期も私たちと合っていた。野球も2018年からは読売ジャイアンツを除いたパシフィック・リーグの中継を私たちがしている。


─中継権契約をして、Jリーグの村井満議長とは何を話したのか?

Jリーグもこの10年間を振り返ってかなり悩んでいた。過去10年間の観客も減り、視聴率も落ちていた。ファンの年齢層も上がった。Jリーグも何かしなければならないと考えていた。そういう状況で中継権契約をしたので、一緒にやってみようという話をした。Jリーグのファン層を拡大し、新たなファンを引っ張ってくるなど、何かを一緒にやってみることにした。非常に重要なのは、DAZNは中継権を金で買ったのではなく、2100億円を投資したということだ。ともに手を握って成長していこうという意味である。10年間で何かビジネス的な次元の問題を解決したら良いだろう。中継権を1年で210億円払って買ったとすれば、本当に高いと見るしかない。私たちは投資をした。Jリーグ中継を(金を払って)見る人が20万人だとするなら、一緒に10倍にしよう。そういう思いだ。


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─Jリーグと協業した結果は大丈夫なのか?

かなり成果がある。2016年には10万人以上が見た試合は3試合しかなかった。去年と今年はラウンド毎に10万人以上視聴した試合が出る。もう一つの成果はフライデーナイトJリーグだ。Jリーグとミーティングをして、私たちがした提案である。最初は反発が激しかった。実際にやってみて、金曜日にサガン鳥栖とヴィッセル神戸の開幕戦は去年と比べて7倍の成果を出した。DAZNを通じてライフスタイルの変化を提供できることをある程度証明した。当時、ハーフタイムに東方神起のキム・ジェジュンさんがライブ公演をした。競技場にキム・ジェジュンさんのファンが訪れた。キム・ジェジュンさんのライブも良いが、サッカーも楽しいと思うこともあるだろう。そういうライトなファン層を引っ張ってきている。もういくつかのクラブは金曜日に試合をやりたがっている。


─金曜日に試合を移すだけでは成果を出せなかっただろう。どうやって金曜日の試合を準備したのか?

Jリーグはもちろん、各クラブと協議をかなりする。3者が協議して、どうすれば観客が楽しめる環境を作れるかについて悩んだ。金曜日にする20試合はJリーグが主管する。そのうち12試合はDAZNがスポンサーをする。そうやって3者が力を合わせて新しいことを成し遂げる。前にも言ったが、土曜日にする試合をそのまま金曜日に持ってきていれば成功できなかっただろう。


─協業に言及したのでNTTドコモの話をしなければならないだろう。NTTとはどう協業しているのか。一部では通信社であるNTTと協業したから中継権の金額が大きくなったと言われているが事実なのか?

DAZNはOTT業者である。OTTとスマートフォンは切り離そうとしても切り離せない関係だ。スマートフォンもまた、通信社とそういう関係である。私たちが独自に中継したら、サービスは限定的になる。通信社の中からどこかと手を握らなければならないという考えを持っていた。なぜNTTか?NTTは日本全国に2400の店舗を持っている。NTTに加入すればDAZNを見ることができ、一ヶ月980円(約9800ウォン)でDAZNのサービスを利用できる。他の通信社の加入者は1980円。良いパートナーだ。私たちがここに来たとき、誰もDAZNを知らなかった。NTTと協業してDAZNのネームバリューも上げることができた。NTTと協業したからJリーグの中継権の金額が上がったわけではない。既存の金額のままJリーグと契約した。


─Jリーグに支給した中継権料のうち、40%を制作費として返してもらうという話も聞いた。

そういった事実はない。


─トーレスやイニエスタがJリーグチームと契約するのにも、DAZNが影響力を及ぼしたという話も取材過程で聞いた。これは事実なのか?

直接的に関与したことはない。間接的にはある。JリーグはDAZNから1年で210億円を受ける。各クラブがJリーグから受ける分配金も増えるだろう。なので有名選手を獲得するのに役立つことができる。私たちが直接的に関与したことはない。もちろんそれによってJリーグの人気が上がれば、クラブも良くてJリーグにも良く、DAZNにも良い。話題が生まれるからだ。新たなファンを連れてくることができる。


─トレースやイニエスタが出る試合は視聴率も高いのか?

まず競技場が満員だ。正確な視聴者数までは明かせない。ヴィッセル神戸とサガン鳥栖の去年と今年は、明らかに違う。(視聴者数が)かなり上がったということくらいは言える。特徴的なのは、ヨーロッパサッカーを見ていたファンがJリーグを見始めたということっだ。新たなファン層ができた。日本はヨーロッパサッカーを見るファンと、Jリーグを見るファンが違っていたが、今は両者の交流ができた。


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─Jリーグは今後、外国人選手を増やす可能性がある。そのような部分でも互いに意見を交わしているのか?そして外国人規定が変われば、DAZNのサービス利用者がさらに増えると思うか?

直接的にこうすれば良いという話はしない。意見交換はする。ただし、イニエスタやトーレスのようなスタープレーヤーが来れば、観客や視聴者が増えるとみんな思っている。関心度を上げる方法があるなら、Jリーグと私たち、そしてファンも幸せだ。ずっと意見を交換し、ともに悩んでいる。


─中継とともにSNS活動、そしてJリーグの独占コンテンツを作ることも重要だと思う。どんな計画を持っているのか?

私たちは10年間ですべきことが多い。SNSは活発にやっている。何をするかはっきり言うわけにはいかないが、新技術を導入することも可能だ。Jリーグとともに成長し、ウィンウィンになるためにはすべきことが多い。一週間に2回ずつJリーグとミーティングをしている。私たちは中継権を買ったのではなく、投資を通じてパートナーシップを結んだのだ。どうやってJリーグを成長させるか、ともに悩まなければならない。


─会議をして争ったりもするか。

まあ意見の対立があってケンカするときもある(笑)。それでも目標は同じだ。Jリーグの発展である。


─アジアに進出するとき、JリーグだけでなくKリーグも調査したと聞いた。契約するときに両リーグのうち一つだけを選ばなければならなかったのか、戦略的にJリーグを選択したのか気になる。

JリーグとKリーグを比較して、韓国がダメだと評価してJリーグと契約したということは絶対にない。私たちはグローバル企業として、グローバル単位で計画をする。2年前、同時期に日本とドイツ語圏で契約を始めた。最近ではアメリカ、カナダ、イタリアに進出を始めた。これから当然アジア戦略も計画中である。本社自体が持っている地域ビジネスのモデルがある。それによって動く。ヨーロッパならドイツ、アジアなら日本、アメリカはアメリアとカナダを起点にするのだ。そういう地域ビジネスのモデルと各国の中継権更新のタイミングが噛み合わないといけない。Jリーグはすべてが合った。日本は経済規模が世界3位で、市民のインターネット接続数も多い。市場的な可能性も高いので、総合的に判断してJリーグと契約した。


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─次のアジア戦略を当然構想するだろう。するとその中にKリーグも入っているのか?でなければ熱狂度の高い東南アジアが先なのか?

率直に、明確に言うのは難しい。実際、(中継権更新の)タイミングが最も重要だ。私たちはどの国について悩むのではなく、本社の世界的な流れを受けることで(仕事を)している。すべての要素を考慮し、重要だと判断すれば契約することもあり得る。だが今は正確に言うのは難しい。


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