レニーの子供たち⑩ 貧困-負傷-よそ者扱いを勝ち抜いたマルチMFユン・ソンヨル
インターフットボール




※要旨

来年のKリーグチャレンジに挑戦状を出したソウルイーランドFC。

イーランドの首長マーティン・レニー監督が目をつけた選手を紹介する10回目の時間。
貧困と負傷、よそ者扱いを勝ち抜いた"マルチ"MFユン・ソンヨルだ。


▲突然の負傷でも夢を諦めず奇跡的なJリーグ入りと再起

若い頃からあまり脚光を浴びる選手ではなかったユン・ソンヨルは、常に基本に忠実な選手だった。
その基本技術のおかげで、突出した活躍はなかったが進学するたびにチームに必ず必要な選手として重用されたユン・ソンヨルは、大学進学の前に肩の負傷でプロ選手になる夢を諦めなければならなかった。
プロ入団目前に起きたことだったので挫折しそうだったが、プロ選手の夢を簡単には諦めなかった。
ユン・ソンヨルは1年間、知人や大学の監督の力を借りて血の滲むようなリハビリをし、エージェントの助けを借りて日本J3チームの入団テストを受けることになった。
J2昇格が確定的なチームだったためか、入団テストには300人を越える選手が集まって1選手に与えられた時間は15分もなかった。
チームの監督は現在スペインのレアル・サラゴサの監督であるポポビッチで、彼は多くの選手の中からユン・ソンヨルにオファーをした。
ユン・ソンヨル選手は今でもこれを奇跡と言っている。
だがユン・ソンヨルに再び挫折のときがやって来た。
3部リーグのチームだったが、良い戦力を揃えて2部リーグに昇格した町田ゼルビアのポポビッチ監督はJ1チームに栄転し、ユン・ソンヨルは1年でチームを出ることになった。


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だがユン・ソンヨルは1年で日本語をマスターした。
日本語の通訳もいなくて、韓国人が1人もいないところでユン・ソンヨルはよそ者扱いと戦いながら独学で日本語を習得した。
日本語をマスターしたユン・ソンヨルは、独力で再びJ2の松本山雅のテストを受けた。
テストでユン・ソンヨルは北京オリンピック日本代表監督を歴任した反町康治監督に目に留まり、その後3年間チームの主戦として活躍することになった。
今シーズン、チームは夢に描いていたJ1昇格を達成したが、ユン・ソンヨルは軍の問題で韓国の戻るしかなく、新生チームのソウルイーランドFCで再び飛翔を夢見ている。


▲監督の難しい要求も誠実に消化する選手としてどの監督からも認められる




テスト選抜の選手だったが、ユン・ソンヨルは行ったところの監督に認められた。
ポポビッチ監督はユン・ソンヨルを"マイ・ボーイ"と呼んでまだ連絡のやりとりをする間柄だ。
パスサッカーを信奉しているポポビッチ監督の戦術でパス成功率の高いユン・ソンヨルは、中央でパスの幹をつなぐ重要な選手だった。

反町監督のサッカーはユン・ソンヨルに新たな挑戦の課題をもたらしたが、これすらも上手く勝ち抜いたユン・ソンヨルはチームに合流してからこれまでの3年間でチームの主戦の席を逃さなかった。
最初はとんでもない要求をすると思っていたユン・ソンヨルは、「3バックを好んで使っていた反町監督のサッカーは難しかった。私のポジション上、カバーするところがすごく多かったからだ。だが監督は私に"君だから要求するのだ。君は十分やれる能力がある"と励ましたし、私はサッカーの他の面を経験して発展できた」として、変化の激しかった日本生活を振り返った。


▲戦術的に活用価値の高い選手

マーティン・レニー監督はユン・ソンヨルについて「J2で5~60試合プレーし、最終的にチームをJ1に昇格させた主軸選手をドラフトで選ぶことができて幸運だと思う。ユン・ソンヨルは中盤で戦術的に様々なポジションと役割を遂行できる選手だ。何よりも基本技術が良くて積極的な選手のため、攻撃のときや守備のときのどちらでも重心を取れる選手」と大きな期待を見せた。

ソウルイーランドFCのキム・キョンウォンスカウトはレニー監督の言葉に付け加え、「ユン・ソンヨルは守備をしっかりと支え、攻撃時には成功率の高いパスで攻撃の起点の役割を果たせる選手だ。戦術的にはダブルボランチとワンボランチのどちらでも活用できる選手なので、どんな状況でもチームの重心を取ることができる選手」と実力を認めた。


▲困難を勝ち抜いた経験をチーム昇格のために加えたい

「小学校を過ぎてから家庭の状況が良くなくて、新聞配達をしながらサッカーをした記憶もあり、約束のなかったリハビリや奇跡のようなテスト、日本語を独学して毎夜歯を食いしばった記憶のすべては、当時は大変だったが私の人生を特別なものにしたと思っている。勝ち抜いた自分自身が誇らしい」とドラマチックに過ぎ去った時間を振り返ったユン・ソンヨルは、「私は2度の昇格を経験したのでソウルイーランドFCで3回目の昇格の喜びを味わいたい。困難を勝ち抜いた経験を活かし、チームに必ず必要な選手になるために努力する」と覚悟を見せた。



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